英国的「行列」のお作法とは? 行列と「6」の不思議な関係
ATMに並ぶ人々 Stefan Wermuth-REUTERS
英国と日本の共通点は多い。島国、お茶の文化、王室・皇室の存在など。そして忘れてならないのが、「行列」だ。銀行、スーパーのレジ、イベント会場などで、辛抱強く並ぶ姿が英国でも日本でもよく見られる。しかし英国での行列を理解するには、「6」という数字が大きく関わっていることが、このほど明らかになった。
英国の行列にまつわる不思議な「6」
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの教授らが行った調査によると、行列に並んでいる英国人が、なかなか進まない列に痺れを切らすまでに要する時間は、平均で約6分(5分54秒)だった。しかし一方で、自分の後ろに並んでいる人の数が6人以上になったら、行列から外れたいという思いがほぼ消え、このまま列の中にいようと思う傾向も分かった。英国人はまた、行列に並んでいる人数が6人以上の場合、その行列には加わらない可能性が高いという。
行列に並んでいる際、早く先に進みたいものの、前の人とあまり距離を縮めすぎるのもお互い不快になるものだ。英国で列に並ぶ場合、他人と距離が近いことから来るストレスや不安を避けるためには、最低でも6インチ(約15センチメートル強)のスペースを空けたほうがよいということも分かった。
英国での「行列」、マナー違反は?
調査ではまた、英国で行列に加わる上での「御法度行為」も明らかにされた。英国人に最も嫌われる行列マナー違反は、「割り込み」だった。テレグラフによると、割り込みが英国人から最も嫌われる理由は、「先着順」という英国人の倫理観に逆らうものだからだ。これは同じ行列好き国民である日本人も同感だろう。
英国のレディング大学学生自治会のウェブサイトには、海外からの新入学生向けに英国での生活に慣れるためのページが作られている。そこには「行列」と言う項目があり、「行列は英国人にとって非常に大切なものです。行列により、一番長く待っていた人が、間違いなく最初にサービスを受けられるようになります。(略)割り込みは非常に失礼な行為とされています」という但し書きまである。海外からの留学生が英国式の行列を知らずに、問題が起こったケースが過去にあったのかもしれない。
またBBCによると、同調査による「行列の御法度行為」の中には、駅でのエスカレーターで「左右を間違えて立つこと」が含まれていた。ただしこれは、主にロンドンに住む人たちが、駅でのエスカレーター作法を知らない観光客にストレスを抱いているのが原因らしい。ロンドンでは日本の大阪同様、地下鉄のエスカレーターは急ぐ人のために左側を空けて右側に立つのがマナーとされている(東京はその逆で右側を空けて左側に立つ)。
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意外なところでは、「行列に並んでいる最中に会話をする」というのも、御法度行為に含まれていた。列を待っている間は楽しく会話でもして、待つイライラを少しでも紛らわせたいものだが、英国人はおとなしく黙って待つのが好きなようだ。