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日本経済骨太方針案まとまる、好循環促す政策を重点化、歳出削減活用の仕組み構築
「成長なくして財政健全化無し」として、成長重視のアベノミクス路線を維持
4月25日、政府は、経済財政諮問会議を開催し、今年の経済財政政策の運営方針となる「骨太方針」の案をまとめた。経済の好循環に資する政策を重点化し、子育て支援や成長戦略、消費喚起策などを挙げた。写真は東京・銀座、2015年8月撮影(2016年 ロイター/Thomas Peter)
政府は25日、経済財政諮問会議を開催し、今年の経済財政政策の運営方針となる「骨太方針」の案をまとめた。それによると、経済の好循環に資する政策を重点化し、子育て支援や成長戦略、消費喚起策などを挙げ、その財源に歳出改革による削減の成果を充てるため、そうした政策に還元できる仕組みの構築を掲げた。
今年の「骨太方針」案では、600兆円経済に向けて昨年同様実質2%、名目3%を上回る成長を掲げ、引き続き「成長なくして財政健全化無し」というキャッチフレーズを踏襲、成長を重視する姿勢を示した。
重点化政策として、これまで諮問会議や一億総活躍会議、産業競争力会議などで議論されてきた政策を取りまとめ、「結婚・出産・子育ての希望、働く希望」などの実現、「成長戦略の加速」「個人消費の喚起」について詳細な項目を挙げた。
このうち「消費喚起」では、老後の資産形成を支援するため、少額投資非課税制度(NISA)の利便性向上と、投資可能期間の恒久化を検討すること、不動産ストックのフロー化による投資促進や不動産投資信託(REIT)市場の機能強化を挙げた。また、労働力不足が深刻なトラック業界向けに自動隊列走行の早期実現やダブル連結トラックによる省人化の実現、観光需要喚起に向けた欧米豪や富裕層等をターゲットにしたプロモーションによる滞在期間の長期化、休暇取得分散化を目指した「ふるさと休日」の設定なども掲げた。
さらに、「成長と分配をつなぐ経済財政システムの構築」として、社会保障の負担と給付の構造改革や、歳出改革により生まれた歳出抑制の成果を子育て支援等に還元できる仕組みを構築することなどを盛り込んだ。
(中川泉)