最新記事

マネー

海外の富裕層は財布代わりに「ジップロック」 風水で選んだ長財布をもつ日本人は時代遅れ?

2019年4月19日(金)06時00分
花輪 陽子(ファイナンシャルプランナー) *東洋経済オンラインからの転載

長財布にお守りまで入れる日本人はもはや時代遅れ?シンガポールのお金持ちは、ビニール袋を財布がわりに使うというが、それはなぜ? taffpix / Altayb / iStockphoto

ファイナンシャルプランナーの花輪陽子です。これまで私はシンガポールの富裕層の暮らしぶりをご紹介してきました。今回は彼らが日々使う......いや、使わないアイテムについてお話ししましょう。それは「財布」をめぐる話です。

お金持ちは必ず「長財布」を使っている......という内容の本が日本でベストセラーになったことがあります。「風水」で金運の上がる財布を使っている......といった人もいます。ところが、シンガポールで暮らす世界的な富裕層からは、そうした話をまったく聞きません。そもそも、「財布なんか持ち歩かない」富裕層が大半なのです。

ディナーは毎日外食、店の選択肢は「5つ」のみ!?

シンガポールの富裕層は食事に出かけたり遊びに行ったりする場合、いつもお決まりのレストランや会員制のクラブを使います。自分自身が経営したり、出資したりしているレストランを使うことも少なくありません。なかには、「僕は、ディナーはほぼ毎日外食だけど、店の選択肢は5つしかないよ」という人もいます。

会員制クラブで会計をするとき、財布を開く場面などありません(クラブで財布を開く姿は野暮です)。カードでさっと支払うか、あるいは、それより多いパターンは「皆が気づかないうちに誰かが会計を済ませている」のです。

ホームパーティーでの「会計ご担当」は誰?

シンガポールの富裕層はホームパーティーをよく開きますが、その場合は、主催者(富裕層を自宅に招待する富裕層)が食事など一切合切を準備します。日本では、パーティーなどの終了後に幹事が参加者からお金を集めて回る光景がよく見られますが、そのような「現金で割り勘にする」場面はシンガポールの富裕層の間ではありえません。

これはシンガポールに限った話ではないでしょう。各国で暮らす「世界的な富裕層」と呼ばれるお金持ちは、「財布」というアイテムに対して、全く関心がないといっていいと思います。

実際、私が会ったお金持ちには、他人からもらった粗末な財布を使い続けている人もいれば、何と「ジップロック」を財布代わりに使っている人も少なくありません。ただし、写真のようにジップロックに現金は入れません。カードだけを入れて持ち歩くのです。ジップロック派のお金持ちは、日本人にもいました。

かく言う私自身も、出産したときにジップロックを「貴重品入れ」に使っていました。母子手帳をはじめ、出産前後に必要なものだけを入れ、持ち歩いていたのです。そのとき、ジップロック派のお金持ちの気持ちがわかりました。パッと見て何が入っているのか、一目瞭然!「余計な脳内メモリを削られないので、財布なんかよりいいわ」と納得しました。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

仏クレディ・アグリコル、第1半期は55%増益 投資

ビジネス

ECB利下げ、年内3回の公算大 堅調な成長で=ギリ

ワールド

米・サウジ、安全保障協定で近く合意か イスラエル関

ワールド

フィリピン船や乗組員に被害及ぼす行動は「無責任」、
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中