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スター・ウォーズ完結編『スカイウォーカーの夜明け』への道のり

『スター・ウォーズ』監督に聞いた、批判への心構え、ボツ脚本の感想、多様性の挑戦......

2019年12月18日(水)19時20分
大橋 希(本誌記者)

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©2019 and TM Lucsafilm Ltd. All Rights Reserved.

――『スカイウォーカーの夜明け』は当初、コリン・トレボロウが監督する予定だった。でもプロデューサーのキャスリーン・ケネディが彼の脚本を気に入らず、あなたに交代した。彼の脚本は読んだ?

読んだ。3、4稿くらいまでできていたからね。

――何か感想は?

ないよ(笑)。

――「スター・ウォーズ」シリーズには熱狂的なファンも多い。今回も賛否両論が出るかもしれないが、そのプレッシャーをどう思っている?

その問題は、スター・ウォーズに限ったことじゃない。今はみんながいろいろと自由に言ったり、書いたりする時代。しかも僕には大して重要と思えないことについて、しばしば互いに攻撃し合ったりしている。例えば誰かの性的なこと、政治的な意見への攻撃があったりして、それは変えていかないとならないと思う。

スター・ウォーズでも、いいものから悪いものまでいろんな騒音が聞こえてくるが、それには左右されず、この映画をベストな形で作っていこうとした。

――ジョン・ボイエガ(フィン役)がホテルの客室に脚本を置き忘れ、それがインターネットのオークションサイトに出品される事件があった(*ディズニー側が発見し、買い戻してことなきを得た)。彼を呼んで怒ったりはした?

いや。誰にも読まれることなく、結局はハッピーエンディングだったから。大変な過ちだったけど、彼も悪気があったわけではないし、とても後悔していた。ストレスのたまる日々は何日かあったけど。

――シリーズの生みの親であるジョージ・ルーカスとミーティングを持ったそうだが、どんな話をしたのか。

僕が脚本を書き始める前に、一度だけ会った。彼が話したいことに、私たちはただ耳を傾けたんだ。主にスター・ウォーズに対する向き合い方についてで、フォースのことはかなり話をしてくれた。私たちはそれを注意深く聞き、しっかり受け取った。でもストーリーとか構成とか、そういうものに関しては一切口にしていない。

――これまでのシリーズの中であなたが特に共感したり、演じてみたいと思う登場人物はいる?

まず、誰も僕をキャスティングしてくれないよ......。大好きなキャラクターがいるのは確かだけど、でも僕が演じられるとはとても思えない。

「スター・ウォーズ」は、はみ出し者たちの物語のように感じる。みんなから外れていると思っている人たちが、自分の居場所だと思えて、一緒に何かができる世界。だから、どこかは分からないけど、僕の居場所もあるはずだと思う。

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