最新記事

レゴのすべて

レゴのミニフィギュアは、こんなふうに作られている

Many Faces of the Minifigure

2018年11月9日(金)19時55分
ニューズウィーク日本版編集部

ミニフィギュアの頭部のパーツはレゴ・グループのハンガリーの工場で製造されている COURTESY LEGO GROUP ©2018

<1978年に素朴な警察官のフィギュアが登場して40年。レゴのミニフィグ人気はとどまるところを知らない。250人のデザイナーから成る同社のデザイン部門は、どうやって多彩なミニフィグを生み出しているのだろう>

LEGOmook_cover240.jpg

※この記事は、レゴブロック誕生60年を記念した特別編集ムック「レゴのすべて」より。ムックでは、その歴史から製造現場の舞台裏、人気シリーズの紹介まで、本拠地デンマークでも取材を行ってレゴの魅力に迫った。

※現在、プレゼントが当たる「#レゴのすべて」SNSキャンペーンを実施中(11月30日23:59まで)。抽選で100名様に、レアな「レゴ ニンジャゴー カイのファイヤードラゴン【30422】」をプレゼントします。キャンペーンの詳細はこちら。

レゴ・グループは創業以来、人々をとりこにする精巧なブロックの世界をつくり続けてきた。しかし70年代、同社のデザイナーたちがあることに気付いた。レゴの世界には重要な要素が欠けていた。その要素とは人間である。言ってみれば、舞台だけ出来上がっていて、そこで演じる役者がいない状態だった。

それが変わったのは1978年。デザイナーのイェンス・ニゴール・クヌーセンが最初のミニフィギュア(ミニフィグ)を作ったのだ。このときデビューしたミニフィギュアの1つが、にっこり笑う警察官だった。制服はステッカーで貼り付けてあった。

LEGOmookSR181109-2.jpg

40年前に初めて発売された警察官のミニフィギュアを今回リバイバルさせたもの。素朴な表情は変わっていない COURTESY LEGO GROUP ©2018

2018年は、ミニフィギュアが誕生して40周年。レゴ・グループはそれを記念し、パーティーをテーマにしたシリーズの一環として、40年前の警察官のミニフィギュアをリバイバルさせた(今回は制服がボディーにペイントされている)。
 
70年代のミニフィギュアの表情はほほ笑みだけだったが、今のミニフィギュアは、しかめ面をしていたり、ゆがんだ笑みを浮かべていたり、愛嬌たっぷりにウインクしていたりする。黒くて丸い目玉が2つと、にっこり笑う口が描かれただけの警察官は、最近のミニフィギュアに比べるとずいぶん素朴な印象だ。40年でレゴのミニフィギュアがいかに大きく進化したかがよく分かる。
 
「昔よりもミニフィギュアに力を入れている。さまざまな職種のミニフィギュアを作り、細部にこだわり、個性も豊かにした......ごっこ遊びの体験を充実させるためだ」と、レゴ・グループのデザイン担当副社長を務めるマシュー・ジェームズ・アシュトンは言う。

LEGOmookSR181109-3.jpg

COURTESY LEGO GROUP ©2018

レゴのミニフィギュアは、コレクターグッズとしても人気が高い。その人気は、レアなアクションフィギュアをも上回る。デザインチームはミニフィギュアを作るとき、ファンの期待に応えるために想像力を駆使する。「デザイン部門には250人のデザイナーがいて、誰もがあふれんばかりのアイデアを持っている。将来作るミニフィギュアのアイデアに事欠く心配はない」と、アシュトンは言う。

LEGOmookSR181109-4.jpg

チームのメンバーとミニフィギュイアのデザインを検討するアシュトン(左) COURTESY LEGO GROUP ©2018

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

AUKUS、韓国とも連携協議 米英豪の安保枠組み

ワールド

トランプ氏、不法移民送還に向けた収容所建設を否定せ

ビジネス

国内送金減税、円安対策で与党内に支持の声 骨太に記

ビジネス

三井物産、25年3月期の純利益15.4%減 自社株
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 5

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 6

    衆院3補選の結果が示す日本のデモクラシーの危機

  • 7

    なぜ女性の「ボディヘア」はいまだタブーなのか?...…

  • 8

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 9

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 10

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中