最新記事

スター・ウォーズ

「ミレニアム・ファルコン」を作った日本人、「地道」に進んだ成功への道

2021年10月12日(火)18時47分
flier編集部

学生時代の部活動も糧に

── 大変な映画通でいらっしゃいますが、大学の専攻や当初の就職先は映画とは関係なかったのですね。

はい。その頃は受動的というか、流されてぼーっと生きていました(笑)。「これがやりたい」というよりも、知名度や目に入りやすかった情報から、コンピューターがあまり普及していなかった当時としては理系の最先端、花形と思われていた電気電子学科へ進みました。

── 学生時代に取り組まれていた陸上や演劇を始められたきっかけは何でしたか。

演劇は学生時代に観たミュージカルに非常に感銘を受け、のめり込んでいきました。陸上は、球技が苦手だったので、走ることなら......と陸上を選んだということもありますが(笑)。

何かにとことん打ち込んだ経験によって、のちに仕事でも生きる、根気強い精神力を養えましたね。

引っ越しで断捨離

CGモデラーとして身を立てるために、ニューヨークからロサンゼルスに引っ越されました。その際の段ボールが760点、相当な量ですね。「泣く泣く手放した」物もあったと書かれていました。

なかなか捨てられず何でも取っておく性分で、あれでも減らした方なのです。賞を取った模型作品なんかもオークションサイトで売り払ったり、処分したり、泣く泣く断捨離しましたね。

── そんな中でも、特に捨てられなかったものはなんでしょうか。

本書にも出てくるCGの作品集「デモリール」のVHSテープは大切に取ってありますね。またその時に自分で組み立てたPCや、転職活動中に収集した雑誌などもずっと保管してあります。

── 本書に出てくるお父さまがクリスマスに作ってくれたという『ウルトラマン』の戦闘機のプラモデルも残されているのでしょうか。とても思い出深く、ある意味、成田さんの創作活動の原点とも言えるような品とお見受けしました。

残念ながらありません。もういつどこでなくしたのやら。父とはじっくり話したことがあまりなく、父とつながる貴重な原点で、残っていれば一番の宝物だったのですが。

手が震えて満足な仕事ができなくなるまではモデラーでいたい

── 今後の展望をお聞かせください。

本書に、出せるものは全て出し尽くしたと思っています。当面はCG、モデリングの仕事に100%、全神経を集中させて打ち込みたいです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国4月鉱工業生産、予想以上に加速 小売売上高は減

ワールド

訂正-ポーランドのトゥスク首相脅迫か、Xに投稿 当

ビジネス

午前の日経平均は反落、前日の反動や米株安で

ビジネス

中国新築住宅価格、4月は前月比-0.6% 9年超ぶ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇跡とは程遠い偉業

  • 4

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、…

  • 5

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 6

    アメリカはどうでもよい...弾薬の供与停止も「進撃の…

  • 7

    共同親権法制を実施するうえでの2つの留意点

  • 8

    半分しか当たらない北朝鮮ミサイル、ロシアに供与と…

  • 9

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 10

    総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中