最新記事

食肉世界最大手JBSへのサイバー攻撃、ロシア発の公算 バイデン政権、懸念伝える

2021年6月2日(水)07時58分
サイバー攻撃のイメージ

米ホワイトハウスは食肉加工大手JBSがサイバー攻撃を受けて操業に影響が出ている問題を巡り、ロシアの犯罪組織が攻撃を仕掛けた可能性があるとして、ロシア政府と連絡を取っていると明らかにした。写真は2013年2月、ワルシャワで撮影(2021年 ロイター/Kacper Pempel)

米ホワイトハウスは1日、ブラジルの食肉加工世界最大手JBSから、ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃を受けて北米やオーストラリアの操業に影響が出ており、ロシアの犯罪組織によって仕掛けられた公算が大きいという報告を受けたと明らかにした。

JBSは、北米およびオーストラリア部門の情報システムが週末に組織的なサイバー攻撃を受けたと発表。オーストラリアでは5月31日の操業停止を余儀なくされた。

1日には、米・カナダの複数の主要施設でシフトが削減された。ブラジル部門の操業には影響は出ていないという。

ホワイトハウスのジャンピエール副報道は同問題を巡り、「ホワイトハウスはロシア政府と直接連絡を取っており、責任ある国家はランサムウェア犯罪者をかくまうようなことはしないというメッセージを伝えた」と述べた。米連邦捜査局(FBI)が捜査を進めていることも明らかにした。

パートナーズ・フォー・プロダクション・アグリカルチャーの最高財務責任者(CFO)のブラッド・ライル氏は、供給がタイトとなり、米国内の牛肉価格がさらに上昇する可能性があるとの見通しを示した。

フューチャーズワンのリスク管理コンサルタント、マシュー・ウィギャンド氏は、消費者への影響について、食肉加工にどの程度の期間影響が及ぶかにかかっているとした。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドル一時153.00円まで4円超下落、現在154円

ビジネス

FRB、金利据え置き インフレ巡る「進展の欠如」指

ビジネス

NY外為市場=ドル一時153円台に急落、介入観測が

ビジネス

〔情報BOX〕パウエル米FRB議長の会見要旨
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 8

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 9

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中