コラム

優秀な人を集めるだけでは成功しない理由/devise(考案する)

2018年03月30日(金)11時00分

www.ted.comより

【今週のTED Talk動画】
Forget the pecking order at work
https://www.ted.com/talks/margaret_heffernan_why_it_s_time_to...

登壇者:マーガレット・へファナン

このTEDトークでは、5つの企業のCEOを務めた経験を持つマーガレット・へファナン氏が登壇し、チームが良い成果を出すために必要な要素について語っている。

トークの冒頭部分で彼女は、ある進化生物学者の実験について言及する。その実験は、鶏にもっと多くの卵を生ませることを目的としたものであった。実験では最も多くの卵を生む鶏を集めたのだが、結果なんとその集められた鶏たちは互いに攻撃し合って、ほとんどが死んでしまったという。

へファナン氏はそれに関して、現代の組織の多くも実はそのようなものではないかと述べている。スーパースターを一生懸命選ぼうとしても、それが成功に直結することは保証されていない。

そうすると、成功へと導いてくれるものとは一体何なのだろうか? へファナン氏が言及するある研究によれば、成功するチームには3つの共通する要素があるという。メンバーの共感力が高いこと、ディスカッションのときに皆が等しく発言すること、そして女性メンバーが多いことだ。

それに基いてへファナン氏が強調しているのは、チームメンバーが互いに良い人間関係を持つことの大切さ。それを裏付ける具体例が、このトークで多く紹介されているのが印象的だ。自分が属しているチームのパフォーマンスを上げたい人にとっては参考になる内容となっている。

キーフレーズ解説

devise
考案する
(動画0:25より)

deviseという動詞は、複雑なシステムや手続き、メカニズムや方法を深く考慮に入れたうえで計画する、または発明するというニュアンスを持ちます。

そのため、最も近い和訳は日本語の「考案する」に該当します。今回のTEDトークでへファナン氏は、進化生物学者がdeviseした実験を紹介します。

ここでいくつかこの表現を用いた例を紹介します:

●The engineer is devising a more efficient water filtration system.
(技術者はより効率のいい水のろ過装置を考案しようとしています)

●The mediator is trying to devise a compromise between the groups that are in direct opposition to each other.
(その仲介者は真っ向から対立しているグループ間の妥協点を考え出そうとしています)

●The teacher devised a way to grade the tests in half the usual time.
(その先生はいつもの時間の半分でテスト採点を終わらせる方法を考案しました)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英サービスPMI4月改定値、約1年ぶり高水準 成長

ワールド

ノルウェー中銀、金利据え置き 引き締め長期化の可能

ワールド

トルコCPI、4月は前年比+69.8% 22年以来

ビジネス

ドル/円、一時152.75円 週初から3%超の円高
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story