ニュース速報
ワールド

カナダ中銀は追加の大幅利下げ必要か、見通し過度に楽観的との見方

2024年10月25日(金)11時07分

 10月24日、カナダ銀行(中央銀行)による最新の経済見通しはあまりにも楽観的で、景気てこ入れには年内にもう1回の大幅利下げが必要になる公算が大きい──。エコノミストの間ではこうした見方が広がっている。写真はカナダ銀行。カナダのオタワで2012年7月撮影(2024 ロイター/Chris Wattie)

Promit Mukherjee

[オタワ 24日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)による最新の経済見通しはあまりにも楽観的で、景気てこ入れには年内にもう1回の大幅利下げが必要になる公算が大きい──。エコノミストの間ではこうした見方が広がっている。

23日に中銀が公表した四半期金融政策報告では、第3・四半期国内総生産(GDP)予想こそ7月時点の年率2.8%増から1.5%増に引き下げられたが、今年全体の成長率予想は1.2%に据え置かれ、来年予想も変更されていない。

これは年間成長率予想の下方修正を見込んでいた多くの市場関係者を驚かせた。

オックスフォード・エコノミクスのカナダ経済ディレクター、トニー・スティロ氏は「今年のカナダ経済について中銀の見方はより明るくなっている」と指摘しつつ、実際には年間成長率は中銀の予想を下回りそうで、12月に追加で50ベーシスポイント(bp)の利下げを迫られるとみている。

CIBCのマネジングディレクター兼チーフエコノミスト、エイブリー・シェンフェルド氏も「成長率が中銀の見通しに届かなければ、12月の50bp利下げを後押しする1つの要素になり得る」と述べた。

RBCのエコノミスト、クレア・ファン氏は「われわれは12月に追加の50bp利下げがあるとの想定を維持している」と記し、来年まで金利水準が引き締め的であり続ける限り、実質GDP成長率は低調にとどまる確率が高いと付け加えた。

中銀は23日の会合で政策金利を50bp引き下げて3.75%とすることを決定。マックレム総裁は、今後の利下げのペースやタイミングについて、次回会合予定の12月11日までに入手するデータの内容次第になるとの見解を示した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

マスク氏、親トランプ派政治活動団体に4400万ドル

ビジネス

バーレ第3四半期は15%減益、ダム決壊引当金や鉄鉱

ワールド

世界の気温、今世紀末に3度超上昇も 対策強化なけれ

ワールド

米民主党議員、トランプ氏娘婿のサウジ代理人疑惑で特
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:米大統領選 イスラエルリスク
特集:米大統領選 イスラエルリスク
2024年10月29日号(10/22発売)

イスラエル支持でカマラ・ハリスが失う「イスラム教徒票」が大統領選の勝負を分ける

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャンピングカーに住んで半年「月40万円の節約に」全長10メートルの生活の魅力を語る
  • 2
    日本は働き手の「やる気」で世界最低...石破首相、「無気力ジャパン」をどうしますか?
  • 3
    渡り鳥の渡り、実は無駄...? 長年の定説覆す新研究
  • 4
    北朝鮮を頼って韓国を怒らせたプーチンの大誤算
  • 5
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 6
    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が出産後初めて公の場へ...…
  • 7
    「国産メーカー優先」をやめたNTTドコモ...経済安全…
  • 8
    巨大な閃光に歓喜の雄叫び...ウクライナ軍が「100年…
  • 9
    【クイズ】次のうち、和製英語ではないものはどれ?…
  • 10
    ウクライナ軍、長距離ドローンでロシア領内の軍用飛…
  • 1
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 2
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 3
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料を1ウォンも払わず 「連絡先分からず」と苦しい言い訳
  • 4
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 5
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 6
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 7
    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が出産後初めて公の場へ...…
  • 8
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 9
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」ものはど…
  • 10
    目撃された真っ白な「謎のキツネ」? 専門家も驚くそ…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 6
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 7
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 8
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 9
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 10
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中