世界の気温、今世紀末に3度超上昇も 対策強化なければ=国連報告
10月24日、国連は公表した年次報告「排出量ギャップ」で、気候関連政策が現状にとどまれば今世紀末までに気温が産業革命以前の水準から3度以上上昇すると分析した。写真はスペインのマドリードで7月撮影(2024 ロイター/Ana Beltran)
Gloria Dickie
[トロント 24日 ロイター] - 国連は24日公表した年次報告「排出量ギャップ」で、気候関連政策が現状にとどまれば今世紀末までに気温が産業革命以前の水準から3度以上上昇すると分析した。これは2015年のパリ協定で合意された1.5度の2倍超となる。
この報告は、気候変動対策に対する各国の約束と必要状況を比較検討するもの。それによると、政府が地球温暖化の原因となる排出の削減に向け対策を強化しなければ、2100年までに世界の気温は産業革命以前の水準から3.1度上昇する恐れがある。
国連のグテレス事務総長はこの日の演説で「われわれは地球の上で危うい綱渡りをしている。指導者らが排出ギャップを埋めるか、気候災害の中に真っ逆さまに飛び込むかどちらかになる」と述べた。
報告によると、世界の温室効果ガス排出量は22─23年に1.3%増加して二酸化炭素換算で57.1ギガトンとなり、過去最高を記録した。