米国株式市場=急落、ダウ890ドル安・ナスダック4%安 景気後退懸念で

米国株式市場は急落。関税合戦の激化や米政府機関閉鎖の可能性を背景に、米経済が景気後退に陥るという懸念が強まった。2021年1月撮影(2025年 ロイター/Mike Segar)
[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場は急落。関税合戦の激化や米政府機関閉鎖の可能性を背景に、米経済が景気後退に陥るという懸念が強まった。
ダウ工業株30種は890ドル安で引けた。ナスダック総合の下げがきつく、4%安。S&P総合500種は2.7%安。
S&P500は昨年12月18日以来、ナスダックは2022年9月以来の大幅な下落率を記録した。
S&P500は2月に付けた終値での過去最高値から8.6%下落。23年11月以来初めて、支持線として注視される200日移動平均線を割り込んで取引を終えた。
ナスダックは先週6日に調整局面入りを確認している。
トランプ米大統領は9日に放送されたFOXニュースのインタビューで、関税政策によって米国が景気後退に陥るかどうか直接的な言及を避けた。
HSBCは関税を巡る不透明感を理由に、米株の投資判断を引き下げた。
ハイテク株は円相場の上昇や日本の国債利回り上昇による圧力にもさらされている。日銀の追加利上げ観測を背景とした円キャリー取引の巻き戻しが「マグニフィセント7」など大型ハイテク株の売りの一因になっている。
米政府機関閉鎖の可能性を巡る懸念も不安定要因となった。議会は閉鎖回避に向けてつなぎ予算可決を目指している。
投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は終値として昨年8月以来の高水準を付けた。
S&P500の主要11セクターでは情報技術の下げが4%超と最大だった。
グロース(成長)株は3.8%安と、22年9月以来の下落率を記録した。
個別ではテスラが15.4%急落し、20年9月以来の大幅下落を記録。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が率いる「政府効率化省(DOGE)」による政府職員解雇や、同氏による欧州極右政党への支持に対する抗議活動などが重しとなった。
暗号資産(仮想通貨)ビットコインの下落を受け、コインベースが17.6%、マイクロストラテジーが16.7%、それぞれ下落した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.64対1の比率で上回った。ナスダックでも値下がり銘柄数が4.57対1の比率で多かった。
米取引所の合算出来高は187億7000万株。直近20営業日の平均は164億2000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 41911.71 -890.01 -2.08 42507.65 42541.36 41612.92
前営業日終値 42801.72
ナスダック総合 17468.32 -727.90 -4.00 17840.32 17868.08 17291.82
前営業日終値 18196.22
S&P総合500種 5614.56 -155.64 -2.70 5705.37 5705.37 5564.02
前営業日終値 5770.20
ダウ輸送株20種 15254.48 -355.94 -2.28
ダウ公共株15種 1003.75 +12.26 +1.24
フィラデルフィア半導体 4405.09 -224.50 -4.85
VIX指数 27.86 +4.49 +19.21
S&P一般消費財 1573.91 -63.89 -3.90
S&P素材 539.92 -11.67 -2.12
S&P工業 1116.09 -18.19 -1.60
S&P主要消費財 898.67 -6.22 -0.69
S&P金融 796.84 -18.69 -2.29
S&P不動産 263.84 -2.73 -1.02
S&Pエネルギー 670.18 +6.23 +0.94
S&Pヘルスケア 1718.26 -19.04 -1.10
S&P通信サービス 329.93 -12.10 -3.54
S&P情報技術 4076.80 -184.91 -4.34
S&P公益事業 394.87 +4.06 +1.04
NYSE出来高 15.39億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 36480 - 600 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 36475 - 605 大阪比