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Fair Dinkum フェアディンカム・オーストラリア

平野美紀|オーストラリア

ケアンズで体感する、1年以上コロナ・フリーのヘルスコンシャスな食と暮らし

ケアンズ市民の憩いの場となっている海沿いの「ラグーン・プール」と公園は、1日中いたくなるほど気持ちのいい場所。気候にも恵まれ、アウトドアで過ごす時間が多いケアンズの人々の生活スタイルは、まさに『ヘルスコンシャス』といえそうだ。(2021年5月 撮影 PHOTOGRAPH BY MASAHIRO HIRANO)

オーストラリアの北東部に位置し、世界遺産グレート・バリア・リーフの玄関口でもあるケアンズ。

街の名前は聞いたことがなくても、「グレート・バリア・リーフ」と聞けば、知っている人は多いはず。日本からグレート・バリア・リーフへ行くなら、最も近くて手軽に行けるのがケアンズだ。

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世界最大のサンゴ礁群、世界遺産「グレート・バリア・リーフ」。右上/ナポレオンフィッシュとも呼ばれる「メガネモチノウオ」。右下/古代のサンゴ礁の上に熱帯雨林が形成されたユニークな「グリーン島」。(2021年5月 撮影 PHOTOGRAPH BY MASAHIRO HIRANO)

そんなケアンズとその周辺地区は、新型コロナウイルスの世界的流行が始まった初期に数人の感染者が確認された程度で、その後、市中では1人も感染者がでていない。いわば1年以上「コロナ・フリー」の街。

ケアンズのあるクイーンズランド州は、オーストラリア第三の都市ブリスベンを首都とし、人口約523万人とニュージーランド1国とほぼ同じでありながら、感染拡大をかなり抑え、死者数も少なく、数字的にみるとニュージーランドより優秀だ。

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データソース:QLD /Covid-19 Data, Population, 、NZ/Covid-19 Data, Population

州政府ごとに感染対策を行っているオーストラリアでは、州によって感染状況が異なる。豪国内で3番目に人口の多いクイーンズランド州で、上位5位までに入るほど比較的人口の多いケアンズ周辺は、1年以上市中感染0(ゼロ)となっている。

新型コロナウイルス感染の心配があれば、なかなか思うように行動できないもどかしさがあるが、1年以上コロナ・フリーの安心感は驚くほど快適で、街の人々は以前と変わらぬ暮らしを楽しんでいた。

『はるか北方』の常夏のヘルシー・タウン

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常夏でトロピカルな陽気のケアンズは、ヤシの木や熱帯植物が南国リゾートを思わせる。右下/オーストラリア北東部に生息する「メガネコウライウグイス」。ケアンズ周辺はカラフルな野鳥が多く、ハードウォッチャーに人気だ。(2021年5月 撮影 PHOTOGRAPH BY MASAHIRO HIRANO)

ケアンズは、オーストラリア大陸最北端のヨーク岬の付け根に開けた街で、この辺りはクイーンズランド州の北東部に位置することから「Far North Queensland(クイーンズランドのはるか北方)」と呼ばれる。

その位置関係から、気候は「熱帯」に属し、日本でよく知られているシドニーやメルボルンなどのオーストラリアの都市とは、気候も雰囲気もまったく異なっている。

常夏で、トロピカルな東南アジアのような雰囲気もあり、オーストラリア国内を移動しているだけなのに、別の国に行ったような気分になれる街でもあるのだ。

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左/先住民文化が色濃く残るケアンズは、街中に先住民アートが点在。右上/バードウォッチングが盛んで海辺や植物園では観察会も開催されている。右下/ラグーン・プールから続く海沿いのボード・ウォーク(木道)。(2021年5月 撮影 PHOTOGRAPH BY MASAHIRO HIRANO)

暖かい気候も手伝って、市民はアウトドアで過ごすことが多い。なかでも、海沿いにある無料の「ラグーン・プール」は、市民の憩いの場となっていて、朝からプールで泳いだり、周辺に造られたボード・ウォーク(木道)でウォーキングやランニングをしたり、水辺に集まってくる野鳥を観察するなど、アウトドア・アクティビティを楽しむ人々で一日中賑わう。

気候や食べ物は、健康に大きく左右するが、こうした健康的なライフスタイルも病気を予防する一助になっているのだろう。

2つの世界遺産に囲まれた街ならではの、ヘルシーな食材の宝庫

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水平線から昇る朝日を浴びながら、早朝にウォーキングやランニングで体力づくりをする人が多い。(2021年5月 撮影 PHOTOGRAPH BY MASAHIRO HIRANO)

健康的な生活には、当然、『食』も欠かせない。

ケアンズは、冒頭に書いた「グレート・バリア・リーフ」だけでなく、先日のコラムで紹介した 世界最古の熱帯雨林「クイーンズランドの湿潤熱帯地域」という2つの世界遺産に囲まれている。

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上空から見たケアンズ周辺。グレート・バリア・リーフへと続く海の「青」と、世界最古の熱帯雨林の「緑」が描くコントラストが美しい。(2021年5月 撮影 PHOTOGRAPH BY MASAHIRO HIRANO)

この貴重な『海の世界遺産』と『森の世界遺産』は、驚くほどたくさんの自然の恵みをもたらしてくれる。

海では、新鮮な魚やクイーンズランド州特産の小ぶりのクルマエビのような中形のエビ(Prawn)、森では、先住民の人々が太古の昔から食べてきた木の実、また、熱帯気候を生かしたトロピカルなフルーツなどなど......

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シーフードの盛り合わせが人気の船上レストラン「Prawn Star」。中型エビのプロウンは、クイーンズランド州の特産。左に写っているのはロブスターのような味わいのモートンベイ・バグと呼ばれるウチワエビもクイーンズランド州産だ。(2021年5月 撮影 PHOTOGRAPH BY MASAHIRO HIRANO)

そしてなにより、世界遺産の熱帯雨林から流れ出す清らかな水は、おいしい食物を生み出す原点でもある。

ケアンズは、こうした大自然に育まれた新鮮でカラダにやさしい食材の宝庫なのだ。

ケアンズの台所、ラスティーズ・マーケット

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ケアンズの台所ともいえる市場「ラスティーズ・マーケット」。(2021年5月 撮影 PHOTOGRAPH BY MASAHIRO HIRANO)

ケアンズ唯一の市場でもあり、市民の台所ともいえるのが、市内中心部にある「ラスティーズ・マーケット」だ。

ここにはケアンズ周辺地域から、さまざまな食材が集まってくる。一見、アジアか南太平洋の島国の市場を思わせる素朴さが魅力のマーケットで、規模的にはさほど大きくないが、揃っている食材は目を見張るものがある。

目に飛び込んでくるのは、色とりどりのトロピカル・フルーツや野菜。どれもこれも、裏庭で採ってきたようなもぎたての新鮮さが一目見ただけでわかるほどだ。ここへは何度も訪れているが、楽しすぎてついつい長居をしてしまうところが悩ましい...(笑)

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左上/アジアの市場のような素朴な雰囲気。左下/パイナップルはケアンズの西方のマリーバが産地。右上/ドラゴンフルーツやマンゴスチンなどのトロピカル・フルーツも地元産。右下/アボカドやバナナもクイーンズランド州を代表する農産物のひとつだ。(2021年5月 撮影 PHOTOGRAPH BY MASAHIRO HIRANO)

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左/ココナッツ・ヨーグルトにフルーツとココナッツをトッピングした「シェイヴ・ココナッツ」。中身を削いだ後の殻を容器として利用したエコなところも◎。右下/ギリシャのパイ料理「ティロピタ」。(2021年5月 撮影 PHOTOGRAPH BY MASAHIRO HIRANO)右上/市場の新鮮な食材を使ったタイ料理の屋台。(2021年5月 筆者撮影)

フルーツは、予めカットしてパック詰めされたものもあるので、その場で買って食べることもできる。また、イタリアやギリシャ、タイ、ベトナムなどなど、世界各地の料理屋台が市場内に並んでいるのが、移民国家オーストラリアらしいところ。市場での各国料理食べ歩きは、アジアの国ではなかなか味わえないはずだから。

ケアンズの食の奥深さを体感するなら、まずここは最初に押さえておきたいところだ。

次のページ:年々アップするケアンズの食のレベルを体感できるレストラン&カフェ

Profile

著者プロフィール
平野美紀

6年半暮らしたロンドンからシドニーへ移住。在英時代より雑誌への執筆を開始し、渡豪後は旅行を中心にジャーナリスト/ライターとして各種メディアへの執筆及びラジオやテレビへレポート出演する傍ら、情報サイト「オーストラリア NOW!」 の運営や取材撮影メディアコーディネーターもこなす。豪野生動物関連資格保有。在豪23年目。

Twitter:@mikihirano

個人ブログ On Time:http://tabimag.com/blog/

メディアコーディネーター・ブログ:https://waveplanning.net/category/blog/

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