コラム

休校のいま提案したい、新学期は9月始まりにしてみては?

2020年03月26日(木)19時00分

確かに、新学期の違いが原因で、ドイツから引っ越した際、息子は半年分の「飛び級」をせざるを得えなかった。それはけっして理想と言えず、それなりのストレスが伴った出来事だった。日本から海外へ転校した場合でも、タイミングの違いが邪魔になる。少なくともそういう家庭のためにも半年のずれがないほうがいいだろう。

「そう、それもある。そして新学期が春だと、進学のための入試が1月ごろになる。風邪やインフルエンザなどを引きやすい時期なので、そういう意味でも秋にしたほうがいいと言っている人もいる」

「植物が芽を出す季節だから4月がいいと考えている人がいると聞いた」

「そうらしい。そして一度4月になった以上、それが慣習になって、変えようと思っても変えにくいところがあるかも」

「変えるなら今がチャンスだけど。皆、学校に行っていないからさ」

「危機という言葉は危険と機会で成り立っている」という戒めがある。危機と言えば、例えばパンデミック。この名言を信じるなら、ちょうど困難が訪れている今、新たな可能性について考えればいい。

転校も留学もやりやすくなるように、新学期の時期を変更しようと思えば、確かに今がチャンス。9月始まりへの変更が話題になっているわけではなく、そうなる気配もないけれど、いい機会なので、この場を借りてそのさらなる検討を呼びかけてみたい。

何も変更がなく、あっという間に学校が再開されるかもしれない。その場合、我が家にとって危機から生まれた機会は、小さなもの一つだけだったということになる。

それは親子のコミュニケーション。それはそれで充分かもしれない。

プロフィール

トニー・ラズロ

ベストセラーとなったコミックエッセイ『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ、メディアファクトリー)の主人公。1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動する。著書に『ダーリンは外国人 ベルリンにお引越し』『英語にあきたら多言語を!――ポリグロットの真実』『手に持って、行こう――ダーリンの手仕事にっぽん』など。

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