現状は「プーチンの勝利」...和平交渉に向けてトランプが出せる、最大の「アメ」と「ムチ」は何なのか
FIGHT OR TALK IN 2025?
ロシア経済は、今年中は戦争を維持できるだろう。インフレ率の上昇や労働力不足など、戦争と制裁で状況は緊迫している。長期的には軍事生産が教育やサービス、インフラへの投資を吸収して、経済成長は侵攻前より鈍化するだろう。しかしGDP成長率はプラスを維持している。
制裁は、痛手を与えることはできても、他国の政策を変えさせることはほとんどできない。ウラジーミル・プーチン大統領はウクライナを破壊するという当初の目的を維持している。
ロシア国内の平穏を守り、戦場でわずかな優位を保っている限り、プーチンは交渉で戦争を終わらせなければならないという大きなプレッシャーは感じないだろう。
一方で、国際政治面の影響は大きい。アゼルバイジャンはロシアがウクライナに注力している隙を突き、アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフを奪還。駐留していた2000人のロシアの「平和維持部隊」を撤退させた。
シリアでもロシアが支援していたバシャル・アサド政権が倒れ、国内にいたロシア軍部隊の大半は撤退を余儀なくされた。
ロシアと中国との関係はウクライナ戦争により深まったが、これは短期的には軍事的および経済的利益をもたらすものの、長期的には中国の従属的な「パートナー」に格下げされるという代償を伴う。