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ツイッター買収をテコに大統領とアメリカを丸ごと「買い取った」イーロン・マスク流投資術

2024年11月11日(月)12時29分
ファハド・マンジュー(スレート誌テクノロジー担当)

トランプは選挙戦で、連邦政府の刷新についてはマスクに白紙委任されると示唆してきた。歳出削減を任務とする政府効率化省(DOGE)の新設と運営もそこに含まれる。

マスクは既に政府支出を年間2兆ドル、つまり3分の1近く削減すると発言している。社会保障やメディケア(高齢者医療保険制度)などの福祉予算、さらには国防費にも大ナタを振らなければ達成できそうにない数字だ。


一方で、マスクの政治的右傾化は顧客離れを生む可能性がある。私が住むサンフランシスコ周辺は、ハリス副大統領が大差で勝った民主党の牙城だ。テスラの主要顧客でもある私の隣人たちは、車を買い替えるときにどうするだろうか。

トランプの政策目標とマスクのビジネス上の利害との衝突もある。トランプは電気自動車(EV)を軟弱で非アメリカ的と見なし、EVの製造・購入に対する補助金や環境規制の廃止を口にしている。

そして常に注目の的でいたいトランプのエゴの問題もある。もしマスク人気がトランプの脅威になれば、両者の関係がおかしくなるケースも考えられなくはない。

マスクが政府機関の手綱を握った場合、最も恐ろしいのは、その手段を選ばないブルドーザー的スタイルがしばしば成果を上げていることだ。

例えば旧ツイッターの買収劇。マスクが同社を買収して従業員をほぼ全員解雇したとき、サービスの継続は不可能だという予測が多かった。

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