最新記事
中東情勢

イスラエル首相、ガラント国防相を解任...後任にカッツ外相

2024年11月6日(水)13時44分
イスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相

イスラエルのネタニヤフ首相(写真左)は5日、ガラント国防相(右)を解任した。2023年10月撮影(2024年 ロイター/ABIR SULTAN POOL)

イスラエルのネタニヤフ首相は5日、ガラント国防相を解任した。進行中の軍事作戦の管理を巡り両氏の間に隔たりが生じ、戦争の正常な遂行が不可能になったためとした。

後任にはカッツ外相を任命した。外相の後任にはギデオン・サール氏を充てた。

新国防相に指名されたカッツ氏は、イスラエルの安全のために使命感を持って取り組むとし、ガザからのイスラエル人質の帰還に加え、ハマスとレバノンの武装組織ヒズボラの「壊滅」を優先すると表明した。


 

ネタニヤフ氏とガラント氏は共に右派政党「リクード」に所属しているが、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの戦いの目的を巡る見解の相違が目立っていた。

ネタニヤフ氏は、見解の相違を超えて信頼を巡る危機が徐々に大きくなり、戦闘の通常の管理、継続ができなくなったと指摘。溝を埋めようとしたものの、一段と拡大しただけでなく、敵の知るところとなり、敵の利するところとなったため、解任を決めたと述べた。

ガラント氏は「イスラエルの安全は自分自身の人生をかけた使命で、今後も使命であり続ける」と述べた。同時に、現在進行中の戦争には明確な方向性がないと指摘した。

これに対しネタニヤフ氏は、ハマスがガザ地区の統治主体、および軍事力として壊滅するまで戦闘をやめることはできないと改めて主張した。

米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)の報道官は、ガラント氏は重要なパートナーだったとし、カッツ氏とも引き続き協力していくと表明。米国防総省のパトリック・ライダー報道官も「イスラエルの安全保障に対する米国のコミットメントは揺るぎない」とし、カッツ新国防相と引き続き緊密に協力していくと述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20241217issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年12月17日号(12月10日発売)は「韓国 戒厳令の夜」特集。世界を驚かせた「暮令朝改」クーデター。尹錫悦大統領は何を間違えたのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


農業
日本の技術で世界の干ばつ解決へ...ナガセヴィータの研究者に聞く「糖」の意外な活用法
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日経平均2カ月ぶり4万円、日米ハト派織り込みが押し

ワールド

EU、防衛費の共同調達が優先課題=次期議長国ポーラ

ワールド

豪11月失業率は3.9%、予想外の低下で8カ月ぶり

ワールド

北朝鮮メディア、韓国大統領に「国民の怒り高まる」 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国 戒厳令の夜
特集:韓国 戒厳令の夜
2024年12月17日号(12/10発売)

世界を驚かせた「暮令朝改」クーデター。尹錫悦大統領は何を間違えたのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 2
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達した江戸の吉原・京の島原と並ぶ歓楽街はどこにあった?
  • 3
    男性ホルモンにいいのはやはり脂の乗った肉?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 5
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 6
    ノーベル文学賞受賞ハン・ガン「死者が生きている人を…
  • 7
    韓国大統領の暴走を止めたのは、「エリート」たちの…
  • 8
    「男性ホルモンが高いと性欲が強い」説は誤り? 最新…
  • 9
    「糖尿病の人はアルツハイマー病になりやすい」は嘘…
  • 10
    統合失調症の姉と、姉を自宅に閉じ込めた両親の20年…
  • 1
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 2
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、妻の「思いがけない反応」...一体何があったのか
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    国防に尽くした先に...「54歳で定年、退職後も正規社…
  • 6
    朝晩にロシア国歌を斉唱、残りの時間は「拷問」だっ…
  • 7
    「男性ホルモンが高いと性欲が強い」説は誤り? 最新…
  • 8
    男性ホルモンにいいのはやはり脂の乗った肉?...和田…
  • 9
    人が滞在するのは3時間が限界...危険すぎる「放射能…
  • 10
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 9
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中