娘は薬半錠で中毒死、パートナーは拳銃自殺──「フェンタニル危機は中国からの化学攻撃」
Families devastated by fentanyl crisis want US to impose sanctions on China
米疾病対策センター(CDC)によれば、フェンタニルを含む合成オピオイドは、米国内で薬物過剰摂取による死亡原因の70%を占めており、その数は増え続けている。
2022年には約7万4000人が合成オピオイドの過剰摂取で死亡しており、この数は2010年の25倍にあたる。
フェンタニルは医療用鎮痛剤として使われ、その作用はモルヒネの100倍と言われる。そのため致死量がきわめて少なく、ほかの薬(錠剤)に混ぜて隠すことができる。
見た目や味、匂いで識別することもできない。そのため薬物乱用に苦しんでいる人だけではなく、無関係の人や子どもが誤って摂取して命を落とすケースもある。
アシュリーの場合は、パートナーから受け取った錠剤の半分を摂取して死亡した。彼女もパートナーもその錠剤にフェンタニルが含まれていたことを知らなかった。錠剤は彼女が以前にも摂取したことがある薬によく似ていたという。
「影響を受けたのは家族だけではなかった」とトーマスは言う。「娘にその錠剤を与えた人、娘を心から愛していたパートナーは翌日、自ら命を絶った。銃で自殺したのだ」