韓国の拉致被害者家族、北への宣伝ビラ10万枚散布強行へ 緊張高まる非武装地帯近隣の住民は猛反発
韓国の拉致被害者団体が散布を予定しているビラには横田めぐみさんの写真も OBS / YouTube
<ビラには日本人拉致被害者の横田めぐみさんの写真も──>
北朝鮮が韓国との南北連結道路を爆破し、連日のように韓国側へゴミなどを入れた風船を飛ばすなか、韓国では北朝鮮拉致被害者の団体が、北朝鮮の体制批判の宣伝ビラを小型ドローンで配布することを発表し記者会見を開いた。これに対して、北朝鮮との非武装地帯に接する坡州(パジュ)地域の市民団体などが断固阻止すると声明を出しており、自治体も巻き込んで対立が高まっている。韓国メディアYTN、ハンギョレ、OBS、江原道日報などが報じた。
朝鮮戦争後に拉致された人たち516人が今も北に......
韓国から北朝鮮に向けて金正恩体制を批判するビラを送る活動は脱北者団体が盛んに行っているが、今回ビラ散布を計画しているのは韓国内の拉致被害者家族の団体だ。韓国では朝鮮戦争当時に拉致された戦時拉致被害者が10万人以上、1953年の休戦協定締結後に拉致された「戦後拉致」で3800人が連れ去られたとされ、戦後拉致された人たちの516人が今もなお帰国できないままだという。
拉致被害者家族の団体は24日午後、水原(スウォン)市の京畿道(キョンギド)庁前で記者会見を開き、来週北朝鮮向け宣伝ビラを公開散布すると明らかにした。崔成龍(チェ·ソンリョン)代表は、「拉致被害者問題を知らせる機会はもうないと考えて、北朝鮮向けビラ10万枚を坡州市から飛ばす。(散布が)2回であれ3回であれ、いかなる方法を使ってでも平壌市内に落ちるようにする」と明らかにした。