米大統領選も終盤へ「10月には魔物がいる...」歴史を変えてきた決戦前夜の大逆転は今回も起きるか
WILL THERE BE AN OCTOBER SURPRISE?
歴代の「サプライズ」事例
「オクトーバー・サプライズ」という語を世に出したのは、1980年の大統領選でロナルド・レーガン陣営を仕切っていたウィリアム・ケーシーだ。
ライバルで現職のジミー・カーターが再選を確実にするため、在イラン米大使館に捕らわれている人質の解放を土壇場で発表するのではないか、そうなればすごいサプライズだ。ケーシーはそう言った。
幸か不幸か、このサプライズは実現せず、むしろカーターの敗北を決定づける要因となった。
アメリカの人質52人が解放されたのはレーガンの大統領就任式の直後だった。そのため、レーガン陣営が人質解放のタイミングをイラン政府と協議していたのではないかという疑惑も生じた。
実際、ニューヨーク・タイムズは後に、レーガン陣営が人質の解放を遅らせるよう画策していたらしいと報じている。
その後、オクトーバー・サプライズは7回の大統領選で起きている。
まずは前回の20年。10月2日に、トランプと妻メラニアの新型コロナウイルス感染が発表された。
その2週間前にリベラル派の最高裁判事ルース・ギンズバーグが死去したのを受け、これ幸いとトランプは保守派で若いエイミー・コニー・バレットを後任に指名し、ホワイトハウスで盛大な発表式典を開いた。
その場が集団感染の舞台となったらしい(ちなみにギンズバーグの死去自体を早めのオクトーバー・サプライズと見なす向きもある)。