中国GDP、第3四半期は前年比4.6%増に鈍化 予想やや上回る
10月18日、中国国家統計局が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比4.6%増と、市場予想の4.5%増をやや上回った。写真は朝のラッシュ時の北京の地下鉄駅。4月撮影(2024 ロイター/Tingshu Wang)
[北京 18日 ロイター] - 中国国家統計局が18日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比4.6%増と、市場予想の4.5%増をやや上回った。第2・四半期(4.7%増)からは減速し、2023年初め以来の低い伸びとなった。
9月の鉱工業生産と小売売上高は予想を上回ったが、不動産部門の低迷が引き続き大きな課題となっている。
第3・四半期のGDPは前期比では0.9%増加。市場予想は1.0%増、第2・四半期(改定値)は0.5%増だった。
JLLのチーフエコノミスト、ブルース・パン氏は「内需、住宅市場、輸出の低迷を踏まえると、市場予想に沿った水準だった。9月末に発表された刺激策は効果が出るまでに今後数四半期かかる」と指摘した。
ロイター調査では今年のGDPは4.8%増、来年は4.5%増と予想されている。
ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、張智威氏は「(第3・四半期のGDPは)第2・四半期から小幅な鈍化にとどまったが、この傾向が続けば政府目標5%の達成は難しいだろう」とし「財政刺激策のさらなる詳細を待っている」と述べた。
<鉱工業生産は予想上回る 小売売上高も加速>
9月の鉱工業生産は前年比5.4%増加し、8月の4.5%増から加速した。ロイターがまとめた市場予想(4.5%増)も上回った。
9月の小売売上高も3.2%増と、8月の2.1%増から加速。市場予想は2.5%増だった。
1─9月の固定資産投資は前年比3.4%増加。市場予想は3.3%増、1─8月は3.4%増だった。
<不動産投資が減少>
1─9月の不動産投資は前年同期比10.1%減少した。1─8月は10.2%減だった。
不動産販売(床面積ベース)は17.1%減。1─8月は18.0%減だった。
新規着工(床面積ベース)は22.2%減。1─8月は22.5%減少していた。
中国の不動産デベロッパーが調達した資金は20.0%減。1─8月は20.2%のマイナスとなっていた。
<新築住宅価格、15年5月以来の大幅下落>
国家統計局が18日発表したデータに基づいたロイターの算出によると、9月の新築住宅価格は前年比5.8%下落した。下落率は8月の5.3%から拡大し、2015年5月以来の大きさとなった。
前月比では0.7%下落。8月と同じだった。マイナスは15カ月連続となる。
当局は低迷する不動産市場の支援策を強化しているものの、同セクターは依然として経済の大きな足かせとなっている。
中国の倪虹・住宅都市農村建設相は17日、不動産セクターの支援に向け、「ホワイトリスト」と呼ばれる銀行融資を受けられる住宅プロジェクトの対象を拡大し、融資規模も4兆元に増やすと表明した。
調査対象の70都市で9月に前年比で価格が上昇したのは2都市だった。
S&Pグローバル・レーティングは18日のリサーチノートで、「過剰な在庫と低すぎる信頼感の不均衡に対処することが中国不動産市場を安定させる鍵になるだろう」と述べた。