最新記事
米大統領選

「神に祝福された候補」とトランプ支持者...死を免れて神格化に懸念も

2024年7月16日(火)14時53分
トランプ前米大統領

7月15日、トランプ前米大統領(写真)が13日の演説中に銃撃を受けながらも致命傷を免れたことについて、キリスト教右派・福音派の支持者らは同氏が「神から祝福された」候補との考えを強めており、選挙戦で宗教的な崇拝を奨励する動きが一段と強まっている。写真は米ウィスコンシン州 ミルウォーキーで撮影(2024 ロイター/Andrew Kelly)

トランプ前米大統領が13日の演説中に銃撃を受けながらも致命傷を免れたことについて、キリスト教右派・福音派の支持者らは同氏が「神から祝福された」候補との考えを強めており、選挙戦で宗教的な崇拝を奨励する動きが一段と強まっている。

ウィスコンシン州ミルウォーキーで15日開幕した共和党全国大会で話を聞いた州・地域を代表する代議員18人のうち16人が、トランプが死を免れたのは神のおかげとの考えを示した。


 

テキサス州の代議員であるレイ・マイヤーズさんは「神秘的なことが起きている。トランプ氏はあらゆる経験をし、批判を受け、今回、自らの血さえ流した。それでもなお健在だ。神の関わりがあったとしか説明できない」と話した。

トランプ氏自身も14日、自らの交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に「考えられない事態をまさに神の力で回避した」と投稿した。

セクハラで訴えられるなどの逆風があった2016年と20年の大統領選でも、福音派の有権者はトランプ氏を強く支持した。

同氏とその支持者らは、キリストのような人物としてトランプ氏を描く画像を頻繁にSNSに投稿している。集会で参加者が着用するTシャツも同氏を救世主として描くものが多くある。

一方、このようなキリスト教色の強い選挙運動について、トランプ氏が米国を犯罪が横行する崩壊寸前の国と偽の主張をし、その唯一の救世主として個人崇拝を強化しているとみる批評家もいる。

同氏に批判的な共和党のストラテジスト、マイク・マドリッド氏はトランプ氏支持者の間で同氏を神格化することが選挙を有利にするとは思えないと指摘。「多くの支持者がトランプ氏を救世主と考えていることに恐怖心を抱く有権者は多いだろう」と述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250408issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月8日号(4月1日発売)は「引きこもるアメリカ」特集。トランプ外交で見捨てられた欧州。プーチンの全面攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米を不公平に扱った国、関税を予期すべき=ホワイトハ

ワールド

トランプ氏、5月中旬にサウジ訪問を計画 初外遊=関

ワールド

ルペン氏に有罪判決、次期大統領選への出馬困難に 仏

ワールド

訂正-米テキサス州のはしか感染20%増、さらに拡大
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中