ロシア「北朝鮮シフト」鮮明、北東アジアの地政学どう変わる
プーチン氏は19日、西側がウクライナを支援していることを理由に挙げて、ロシアは北朝鮮との「軍事技術協力を発展させる道を排除しない」と語った。
これについて米国防総省のライダー報道官は「ロシアと北朝鮮の協力が深まる事態は、特に朝鮮半島の平和と安定維持に関心を持つあらゆる向きにとって懸念すべきだ」とコメントした。
外交関係者の間では、プーチン氏の「北朝鮮シフト」は、北朝鮮に対する国際的な制裁の枠組みに重大な転機をもたらすとの見方も広がっている。
今年3月28日には、国連安全保障理事会で北朝鮮制裁委員会の専門家パネルの任期延長決議案がロシアの拒否権行使によって否決された。
その翌日にロシアは、主要国が北朝鮮への新たな対応方法を用いる必要があると訴え、米国とその同盟国がアジアで軍事的緊張を高めていると非難した。
スウェーデンの安全保障開発研究所のニクラス・スバンストロム所長は「北朝鮮とロシアの関係は武器や技術交換に焦点を当てた便宜的な連携として始まったが、今は決済システムや研究協力などさまざまな交流に広がりつつある。一定の深度を持っているようで、われわれはそれを過小評価してきた」と述べた。
<関係発展に限界も>
ただ専門家によると、ロシアと北朝鮮の関係発展には限界もある。
核弾頭保有数が世界最大のロシアは、特に近隣諸国に核兵器が大幅に拡散する事態は自国の利益に資すると考えていない。
またロシアは今年の弾薬生産量が、北大西洋条約機構(NATO)全加盟国の生産量を上回る予定なので、北朝鮮への依存も限られる。
ロシアは伝統的に北朝鮮と韓国の間である種のバランス外交を進めてきた面もあり、北朝鮮側に傾き過ぎればそうした政策路線が維持できなくなるとの声も聞かれる。
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