最新記事
中東

【人質家族 独占手記】「あの時、私と一緒に過ごそうと言っていたら...」ハマスのテロに遭遇したアメリカ人家族の苦悩

I Can’t Celebrate

2023年11月7日(火)13時00分
サライ・コーエン

私は彼ら全員のことを思う。私の大切な親族、ポスターやニュースで見た一人一人の顔。若いカップル、巻き毛の愛らしい女の子、誰かの祖父母であり、誰かの親である人たち。あの土曜日、澄んだ青空の下で朝を迎えた人たちが奪われた。その苦しみはとても耐えられるものではない。

けがをしていないだろうか。出血は止まっているか。食事は取れているか。寒くはないか。子供たちは母親が恋しくて泣いているだろうか。それとも諦めて、暗闇の中で独り座っているのだろうか。

私はジュディスとナタリーを抱き締め、安堵の息をつこうとしている。彼らの解放はかすかな希望をもたらしたが、他の家族にはまだ真っ暗な時が流れている。いまだ捕らわれの身である人々の苦しみを無視することなどできない。彼らの多くは今すぐに医療的措置が必要でもある。

この悪夢は、紛争がいかに予測不可能であり、人々の人生を打ち砕く力を持っているかということを思い知らされる。そして、私たちの深いつながりを。この闘いを共有したときに、私たちは1人の痛みが全ての人の痛みであることを思い出す。

自分の姉と姪が無事でも、他の人たちを見捨てるわけにはいかない。

私たちには助けが必要だ。私たちの経験を知って、語ってほしい。全ての人質を無事に、可能な限り完全な形で家族の元に取り戻すために、あなたたちの支援と声が必要なのだ。彼らの物語を埋もれさせず、私たちのメッセージを共有して、地元や国の議員に手紙を書いてほしい。テロに引き裂かれた家族を再会させるために、私たちと共に立ち上がってほしい。

悪夢はまだ終わっていない。私たちと一緒に悪夢を終わらせよう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日産、タイ従業員1000人を削減・配置転換 生産集

ビジネス

ビットコインが10万ドルに迫る、トランプ次期米政権

ビジネス

シタデル創業者グリフィン氏、少数株売却に前向き I

ワールド

米SEC委員長が来年1月に退任へ 功績評価の一方で
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中