最新記事
ウクライナ情勢

ロシアのドローンめぐり対立? ウクライナはルーマニアで爆発と主張、ルーマニアは否定

2023年9月5日(火)12時23分
ロイター
NATOの旗

ウクライナは4日、ロシア軍がウクライナ南部オデーサ(オデッサ)州のドナウ川沿いのイズマイル港をドローン(無人機)で攻撃した際、ロシアのドローンが北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるルーマニアの領土に落下し爆発したと発表した。2022年2月撮影(2023年 ロイター/Ints Kalnins)

ウクライナは4日、ロシア軍がウクライナ南部オデーサ(オデッサ)州のドナウ川沿いのイズマイル港をドローン(無人機)で攻撃した際、ロシアのドローンが北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるルーマニアの領土に落下し爆発したと発表した。一方、ルーマニアは自国領土は攻撃されていないとした。

ロイターはどちらの発表も独自に検証できていない。ウクライナでの戦争に用いられた兵器がNATO加盟国に落下したとの報告はまれ。

ウクライナ当局によると、オデーサ州で4日、主要穀物輸出港として知られるドナウ川沿いのイズマイル港がロシアによるドローン攻撃を受け、倉庫が損壊し、建物が炎上した。

ウクライナ外務省のニコレンコ報道官はフェイスブックで「ウクライナ国境警備隊によると、ロシアが昨夜、イズマイル港付近で大規模な攻撃を行った際、ロシアのイラン製ドローン『シャヘド』がルーマニア領土に落下し爆発した」と指摘。「これは、ロシアのミサイルによるテロ行為がウクライナの安全保障だけでなく、NATO加盟国を含む近隣諸国の安全保障にも大きな脅威をもたらしていることを裏付ける」とした。

ニコレンコ報道官は、対岸から見える爆発の炎を写した画像を公開した。ロイターはこの画像がどの位置から撮影されたものなのか現時点で確認できていない。

ルーマニア国防省はルーマニアは攻撃を受けていないと表明。ロシアのドローンがルーマニアの領土に落下したという情報を「断固否定する」とし、「ロシアの攻撃手段がルーマニアの領土や領海に直接軍事的脅威を与えたことはない」とした。

米国務省は、この件に関する報道を認識しており、ルーマニア政府に問い合わせしたと明かした。国防総省はコメントを控えた。

Pavel Polityuk Tom Balmforth Luiza Ilie [ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

試写会
カンヌ国際映画祭受賞作『聖なるイチジクの種』独占試写会 50名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    注目を集めた「ロサンゼルス山火事」映像...空に広が…
  • 10
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中