アフリカの内戦が欧米の戦争へ...ワグネルの影も──スーダンの紛争に終止符を打つには?
A HORNET’S NEST
ロシアは2月にスーダン政府と、北東部の港湾都市ポートスーダンに海軍基地を建設することで合意したようだ。ワグネルはスーダンから金を密輸していたとみられ、情勢が不安定になれば、その流れが滞り、ロシアの介入が強まるかもしれない。
チャド盆地とサヘル地域には世界で最も貧しい人々が暮らす。スーダンの危機は地域の人道的状況を悪化させかねない。地域全体で避難民が増えれば、過激派組織が脆弱な人々を戦闘員として徴集しやすくなる。
スーダンの紛争に終止符を打つには、軍事的対立を排し、各勢力が既に合意済みだった民政移管プロセスに復帰することが必要だ。
日本への影響
(文責:ニューズウィーク日本版編集部)スーダンは4700万人の人口を抱える一大市場。主要産業には医薬品や化粧品などさまざまな用途に使われるアラビアゴム(世界最大の産地)、綿花の生産などがあり、石油や金、マンガンなど豊富な資源も有している。紛争が沈静化すれば大きな経済需要が生まれることが考えられ、日本企業の進出も期待できる。
一方で紛争が悪化・長期化してダイヤモンドや金、コバルトなど世界屈指の鉱物資源を持つコンゴ民主共和国など周辺国に飛び火すれば、日本を含む世界経済への悪影響は避けられない。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら