トランス女性起用で白人マッチョ男性が不買運動、バドライトの売り上げが急減
Bud Light Backlash Is Hurting Other Anheuser-Busch Brands, Data Shows
だがバンプ・ウィリアムズ・コンサルティングのデーブ・ウィリアムズ分析担当副社長によると、バドファミリーのビールの売上ダウンは「引き続き加速している」が、アンハイザー・ブッシュ全体の収益は今年に入ってから今のところ「おおむね競合他社と同レベルか、それ以上に伸びている」という。
年初からこれまでの売上では、バドライトは前年同期比4.3%のマイナスだが、ブッシュ・ライトとミケロブ・ウルトラはそれぞれ12.7%と8%のプラスとなっている。
ただし、「この2週間ほどで風向きが完全に変わった」と、ウィリアムズは本誌に語った。アンハイザー・ブッシュの「好調には陰りが差し、競争は激化している。(保守派男性のボイコット運動の)長期的影響を考えると、(同社の)好調が書き入れ時の夏まで続くとの見方には、当然ながら疑問がわく」
本誌は5月10日、アンハイザー・ブッシュにこの件について見解を求めるメールを送った。
「バケツの水一滴」程度の影響とも
ブランド価値を査定し、年間ランキングを発表しているブランド・ファイナンスは、本誌の以前の問い合わせに対し、保守派のボイコットがバドライトの売上に長期的に影響を与えるかどうかは「現時点では不明」と答えた。同社が2022年に発表したビール部門のランキンングでは、バドライトはバドワイザーの3位に次ぎ、4位に格付けされている。
同社のローレンス・ニューウェル南北米大陸担当事業部長は、最近のバドライトの売上データについて、「この流れが続くなら、アナリストは予測を見直すことになるかもしれない」と述べている。
アンハイザー・ブッシュの経営陣はアメリカ国内でのバドライトの販売戦略に強力にテコ入れする方針を発表した。
もっとも同社のグローバルな事業展開を考えれば、トランプ支持者らのバドライト不買運動はせいぜい「バケツの水が一滴減った」程度の損失しかもたらさないと、市場アナリストや投資家らは指摘している。