最新記事
米政治

「彼女のお尻を見られるように」...トランプのセクハラを、元ホワイトハウス女性職員2人が告発

Ex-Donald Trump Staffers Accuse Him of Sexual Harassment in the White House

2023年5月12日(金)20時20分
カレダ・ラーマン
大統領時代のドナルド・トランプ

大統領時代のトランプの振る舞いが問題視されている(写真は2020年10月) Carlos Barria-Reuters

<民事裁判で作家の女性に対する性的暴行と名誉棄損が認められたトランプ前大統領について、2人の女性が新たなセクハラ疑惑を告発した>

ドナルド・トランプ前政権時代にホワイトハウス職員だった女性2人が、トランプが任期中、女性職員にセクハラ行為を繰り返していたと告発した。トランプに対しては5月9日、民事訴訟で作家のジーン・キャロルに対する性的暴行が認定されたばかりだ。

■【写真】トランプによるセクハラを告発した2人の元ホワイトハウス女性職員

民事訴訟でトランプは、キャロルに対する500万ドル(約6億7000万円)の支払いを命じられた。陪審は、1996年に百貨店バーグドルフ・グッドマンの試着室でレイプされたというキャロルの主張は退けたが、トランプによる性的暴行と名誉毀損を認めている。次期大統領選で再選を目指すなかで、痛手となる可能性がある。

トランプは、自ら立ち上げたSNS「トゥルース・ソーシャル」で評決について怒りをあらわにした。キャロルが誰なのか「見当もつかない」と述べ、評決は「侮辱」であり「史上最大の魔女狩りが続いている」と非難した。

そんなトランプについて、2020年12月にホワイトハウスのコミュニケーションディレクターを辞任したアリッサ・ファラー・グリフィンはCNNの番組で語り、トランプが在任中、女性職員に対しても繰り返し不適切な態度を取っていたと明らかにした。

不適切と思われるケースは数えきれないほど

「ホワイトハウスにおける不適切と思われるケースは数え切れないほどあり、女性との関わり方が危険だと思い、首席補佐官に報告した」とファラー・グリフィンは語った。

マーク・メドウズ元大統領首席補佐官を含むトランプの側近に、彼の行動について報告したのは自分だけではなかったと、ファラー・グリフィンは述べた。「この(民事訴訟の)レベルほどのものはなかったが、私は不適切と考え、報告する義務もあった」

彼女は、有権者に「注意を払う」よう促し、共和党はトランプに対して「謝罪するのをやめる」よう求めた。「ドナルド・トランプが自分の正体を明かしたら、信じるべきだ」

トランプは2005年に芸能番組「アクセス・ハリウッド」に出演した際、女性の合意を得ずにキスをしたり体を触ったりすることについて話し、その会話が2016年に流出すると「ロッカールームトーク」だと弁明した過去がある。ファラー・グリフィンはこの時のことを引き合いに出し、「(自分が見聞きしたことも)ロッカールームトークとして扱いたかったが、それは違った」と述べた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ノルウェー・エクイノール、再生エネ部門で20%人員

ワールド

ロシア・イラク首脳が電話会談 OPECプラスの協調

ワールド

トランプ次期米大統領、ウォーシュ氏の財務長官起用を

ビジネス

米ギャップ、売上高見通し引き上げ ホリデー商戦好発
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 6
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 7
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 8
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中