台湾新旧リーダーの「外遊合戦」が意味するもの
一方、前総統の馬は、「中国に友好的な有名政治家であることは確かだが、台湾の政治状況や政策の方向を変えるだけの権限も影響力も持っていない。訪中時の中国側の扱いも、このような理解を反映したものになっている」と、ホワンは言う。「馬と中国側がなんらかの政治的交渉を行うことはあり得ない」
はっきり言えるのは、蔡の訪米と馬の訪中がいずれも、緊張をさらに高めることを避けるべく慎重に計画されたもの、ということだ。
もっとも、緊張のエスカレーションを防げるかどうかは、蔡とマッカーシー米下院議長の会談次第かもしれない。蔡が中米から台湾への帰路でロサンゼルスに立ち寄り、マッカーシーと会談したとき、中国はどのような反応を示すのか。それが差し当たりの焦点になりそうだ。
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