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核戦争ロシア北方艦隊が冷戦後初の核武装航海──ノルウェー情報部
Russian Warships Armed With Nuclear Weapons Deployed: Norway
ロシア「海軍の日」の催しに集まった観客と、北方艦隊の旗艦「ピョートル・ヴェリーキイ」ミサイル巡洋艦(2017年、サンクトペテルブルク) Anton Vaganov-REUTERS
<ウクライナ侵攻以降の反応を見てロシアは西側に対する不信感を強めている、と報告書。誤解や偶発的事故で、じかに戦争に巻き込まれることは避けなければならない、と警告する>
ノルウェー情報部は2月13日に公開した年次報告書のなかで、ロシア海軍北方艦隊の複数の艦艇が、戦術核兵器を搭載して配備された、と述べた。核兵器を搭載した艦が海上へ出たのは、ここ30年で初めてとみられる。
「核戦力の中心は、北方艦隊の複数の潜水艦と何隻かの水上艦に置かれている」という。
そして報告書は、ロシアの戦術核兵器がNATO加盟国にもたらす「とりわけ深刻な脅威」について指摘する。
「加えて、ロシアの有する潜水艦戦力、衛星攻撃兵器、サイバー攻撃ツールは、ノルウェーとNATOの脅威となりうる」
冷戦後では初めて
冷戦中には、ソ連北方艦隊の戦艦がしばしば核兵器を搭載して海に出ていた、と米ニュースサイト、ポリティコは伝える。だが、冷戦後にロシアが核兵器を搭載した艦を配備したのは、今回の展開が初めてだとされている。
さらに、2023年のロシアの防衛費が34%増になると推定される現状を踏まえれば、ロシアにとって核兵器の重要性は増しているとも述べている。
「通常戦力の競争力低下に伴い、核兵器の重要性は大幅に増加している」と報告書は述べる。「したがって、ロシアの戦略的および地域的な核抑止は、ロシア軍事力にとっていっそう重要になる」
ノルウェー情報部は、ロシアは今後も核戦力を維持し続け、さらに開発していくだろうと結論する。
ロシアがウクライナに侵攻してから2月24日で丸1年になるが、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は概ね、この戦争での核兵器使用について直接言及することは避けてきた。だがこの数週間は、ドミトリー・メドベージェフ(ロシア安全保障会議の副議長で前ロシア大統領)などのロシア政府高官や、ロシア国営メディアの関係者が、核兵器使用の可能性に言及している。
メドベージェフは1月、自身のテレグラムチャンネルへの投稿のなかで、ロシアがウクライナで敗北すれば核戦争が起きる可能性があると警告した。「通常戦における核保有国の敗北は、核戦争の引き金になりうる」
ノルウェー情報部は、「偶発的な出来事」によりNATOがウクライナ戦争にじかに引きずりこまれる危険について警告する。
「ロシアの決断は、西側諸国の意図に対する強い不信感で特徴づけられる。その不信感は、ウクライナ侵攻に対する西側諸国の反応の結果として、著しく強化されている」と、報告書は述べる。「ロシア・NATO間の誤解や偶発的事故が起こる可能性は高まっており、それゆえエスカレーションのリスクも高まっている」
(翻訳:ガリレオ)
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