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「占領されても、私はメリトポリ市長」拉致から生還した市長が語る、ロシア軍の残虐行為

“Truth and Ukraine Will Win!”

2022年11月4日(金)09時25分
イバン・フェドロフ(ウクライナ・メリトポリ市長)
メリトポリ市長

市長のフェドロフは自身もロシア軍に拉致され、5日間拘束された FRANCO ORIGLIA/GETTY IMAGES

<爆撃、誘拐、インチキ選挙......。今は別の都市を拠点に住民支援に奔走する日々。ウクライナの勝利と占領地の解放を信じて戦う、34歳の若き市長の不屈の魂と決意とは?>

ここ数週間、ウクライナ南 東部の都市ザポリッジャ(ザポリージャ)での状況は厳しさを増している。

ここにはロシアに一時的に占領されているヘルソン州、ルハンスク (ルガンスク)州、ドネツク州、それにさらに南にある都市メリトポリの住民が数多く避難してきている。私はそのメリトポリの市長だ。

ザポリッジャの町ではロシアの爆撃が続いている。爆撃は人々が寝静まった夜に行われ、人家や集合住宅に命中することもある。ロシアの虐殺により日々、同胞の命が失われている。

ロシアの侵攻が始まった2月24日、私はメリトポリにいた。爆撃が始まったのは午前 5時半。空港などのインフラ施設も狙われた。でも逃げるという選択肢など思い付きもしなかった。

私たちはウクライナ国旗が市の中心部の広場から排除されるまで、仕事を続ける覚悟だった。 それも3月11日に私がロシア軍に拉致されて終わった。

ウォロディミル・ゼレンスキー大統領と国際社会のおかげで、9人のロシア軍捕虜との 交換という形で釈放されたのは5日後の16日。以降、私はザポリッジャの町を拠点に市長の職務を続けている。

私と部下たちの仕事は1日24時間年中無休だ。避難民やボランティア、ウクライナ軍とミーティングを開き、リモートで市と住民のために働いている。欧州諸国の協力を得て、避難民が人道援助を受け取るための仕組みもつくった。

占領されはしたが、メリトポリがロシアに降伏したわけではない。当初はデモに多数の市民が参加し、中心部の街路で、敵の戦車の前に立ちはだかった人々もいた。市民の多くは、断固としてロシアへの協力を拒んだ。

その結果、占領者たちは市民の誘拐という手段に出た。私が知る限り、現時点で誘拐された市民は約700人に上る。占領者たちは年齢も性別も職業も問わず、人々を拉致しては拷問や脅迫で協力を迫っている。将来的に訴追するため、私たちはロシアによる犯罪を全て記録している。

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