最新記事

選挙

イタリア総選挙、右派連合が過半数獲得の見通し 史上初の女性首相誕生か

2022年9月26日(月)09時58分
イタリア野党右派「イタリアの同胞(FDI)」率いるメローニ党首

25日投開票されたイタリア上下院総選挙の出口調査によると、野党右派「イタリアの同胞(FDI)」率いる右派連合が過半数を獲得する見通しとなった。写真はローマで投票するFDIのメローニ党首(2022年 ロイター/Yara Nardi)

25日投開票されたイタリア上下院総選挙の出口調査によると、野党右派「イタリアの同胞(FDI)」率いる右派連合が過半数を獲得する見通しとなった。FDIのジョルジャ・メローニ党首(45)が同国初の女性首相に就任するとみられている。

国営イタリア放送協会(RAI)の出口調査によると、FDI、サルビーニ書記長率いる「同盟」、ベルルスコーニ元首相率いる「フォルツァ・イタリア」による右派連合の得票率は41─45%となったもようで、上下両院を支配するのに十分な水準に達した。

右派連合の議席獲得数は、下院400議席のうち227─257、上院200議席のうち111─131とみられている。

最終結果は26日早くに判明する見込み。

FDIは2018年の前回選挙で得票率がわずか4%だったが、今回は22─26%を獲得して第1党に躍進する見通しとなった。

ただ、暫定データによると、投票率は4年前の74%から過去最低の64.1%に低下するとみられている。

イタリアの政権交代は通常、交渉に多くの時間を割くため、新政権が発足するのは数週間先になる可能性がある。

右派連合が勝利すれば、第2次世界大戦以降で最も右派的な政権が誕生することになる。メローニ氏はFDIを保守主流派と位置付け、西側諸国の対ウクライナ政策を支持するとともに、経済政策では過度なリスクを取らないと公約している。

しかし、ロシアに対抗するための結束を保ちたいことや、イタリアが抱える深刻な債務の山に対する懸念から、この結果は欧州の首都や金融市場に警鐘を鳴らすことになりそうだ。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

独新財務相、財政規律改革は「緩やかで的絞ったものに

ワールド

米共和党の州知事、州投資機関に中国資産の早期売却命

ビジネス

米、ロシアのガスプロムバンクに新たな制裁 サハリン

ビジネス

ECB総裁、欧州経済統合「緊急性高まる」 早期行動
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 7
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 9
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中