アフガニスタン、学業の夢遠ざかる女性たち 生活困窮で復学困難に
女子校への相当規模の投資と、法学・工学分野における入学枠の確保、女子寮や託児施設といった女子学生を対象とした措置により、何千人もの女性が学位取得を目指すようになった。
世界銀行が出資する高等教育開発プログラムによれば、2020年の公立大学入学者全体のうち、女子学生は24%前後、約2万1000人だった。私立の教育機関で学ぶ女性はさらに多い。
タリバン上層部の一部メンバーに対する制裁措置に加え、人権や政権における多様性の欠如に対する懸念もあり、アフガニスタンは、国際的な資金やアフガニスタン中央銀行が海外に保有する数十億ドルの資産から実質的に切り離されてしまった。
女性の雇用状況が悪化
国連の開発担当機関では、アフガニスタンの国民1人あたり所得は、2020年の年間508ドル(約5万8500円)から、2022年には350ドルに低下する可能性があると予測している。
一部のデータによれば、こうした危機は女性に大きな打撃を与えている。国際労働機関(ILO)の報告書では、2021年第3・四半期のアフガニスタンにおける雇用水準の低下は、男性が6%だったのに対し、女性は16%も低下したと推計されている。
就職の展望が暗いことは、多くの女子大学生にとって頭痛の種だ。
アフガニスタン経済省のアブドゥルラフマン・ハビブ報道官は、他国からの援助の中断は、女性支援団体の財政に打撃を与えており、雇用の喪失につながっていると述べた。
「経済省は、働く女性を支援する政策を準備している」とハビブ報道官。「彼女たちが自分の活動と仕事を再開することを励まし支援するために必要なものを(略)何でも提供できるよう最善を尽くすつもりだ」
同報道官はさらに、タリバン政権のために何の問題もなく働いている女性もいる、と付け加えた。
東部ナンガルハル州で政治学を学ぶ大学3年生のロマ・グルさんの場合、課程を修了できるかどうか非常に危うくなっている。
非常勤講師の仕事で得ている3000アフガニでは、自宅と職場、キャンパスを往復する毎月の交通費を賄うのがやっとだ。残りのわずか1000アフガニで書籍や文具を購入し、家計を支えるために家賃も分担しなければならない。
仕事は毎日午後1時に終わる。キャンパスに駆けつけても講義は最後の2時間しか出席できず、午前中の講義は棒に振っている。それでも、大学が再開されたのは嬉しい。
「問題はあるけど、大学は卒業しようと心に決めている」とグルさんは語った。
(翻訳:エァクレーレン)
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