韓国の「防疫パス」早々と見直し 反日集会もソーシャルディスタンス策の影響受ける
学習施設への防疫パスの適用停止を求めた訴訟は福祉部長官を相手取っていたことから全域が対象だが、大型店の運用停止はソウル市長に対する訴えだったため、ソウル市内のみ停止する。防疫パス不所持者はソウル市外の大型店には入店できない不公平が生じている。
政府は妊婦にも防疫パスを適用すると発表した。感染して隔離が解除された人は防疫パスが免除されている。また、1回目の接種で重大な副反応が起きて2回目の接種が延期・禁止されている人も防疫パスが免除されるが、出産予定日を登録した女性のなかで、ワクチン接種後の副反応が報告された人が少ないとして妊婦には防疫パスを免除しない方針を打ち出し、妊婦などから不満の声が上がっている。
再開した反日集会にも、ソーシャルディススタンスの影響が
いっぽう、ソーシャルディスタンス施策は、反日集会を行っている団体の活動にも支障が出ている。慰安婦支援団体「正義記憶連帯」は1992年から毎週、旧日本大使館前で「水曜集会会」を行ってきた。デモが禁止されて以降、オンラインで開催していたが、昨年11月から再開した。
同日同時刻に同じ場所でデモや集会が実施される場合、先に申請した団体に優先権が与えられ、後から申請した団体は位置をずらして実施するが、ソーシャルディスタンスによって相応の距離を取らなければならないことになっている。
正義記憶連帯の解散を訴える保守系団体「自由連帯」が、水曜集会が開催されてきた慰安婦像の周りを先に申請し、10メートルほど離れた聯合ニュース本社前も「慰安婦法廃止国民行動」が前もって申請している。正義記憶連帯は隣接する国税庁前で「水曜集会」を開催したが、その場所も別の団体が先取りするなど、実施のたびに慰安婦像から離れているという。
韓国は1月29日から2月2日まで旧正月連休となる。家族や親戚が集まる年中行事を前に防疫パス所持者の会食は6人まで緩和した。多くの人が移動や接触をする期間であり、感染拡大が危惧されている。