誰が文在寅を支持しているのか:韓国
一方、専従者ではない組合員が組合活動を行う際の労働免除の上限が緩和された。社内の活動には支障がないが、上部組織が主催するデモや会合等に出席すると、上限を超えることになりかねない。組合活動に制限を加えた保守政権に反発する労組は、文在寅政権を支持している。
また、文在寅政権はフェミニスト大統領を標榜し、女性を閣僚に起用して、廃止が取り沙汰されてきた女性家族部を拡充した。朴元淳前ソウル市長も2016年から20年までの5年間に女性団体をはじめとする市民団体に7000億ウォン余りの支援金を支給した。朴元淳氏が市長に就任した2011年に1278だった登録市民団体は2020年には2295団体まで倍増した。一般に男性は社会的立場で政党を選ぶが、女性は思想で選ぶ傾向が強く、また結束力が強い特徴がある。
文在寅政権を支持した20代や30代の与党離れが進んでいる
発足時に文在寅政権を支持した20代や30代の与党離れが進んでいる。国民の力は1997年、ハンナラ党として結成。2012年、セヌリ党に改称した後、17年2月の朴槿恵大統領の罷免で離党者が続出した。2020年にセヌリ党を継いだ自由韓国党を中心に保守系政党が統合して再結成した。
主要支持層はMB(明博)派や親朴派だ。ソウル市長と大統領を歴任した李明博氏の下で頭角を現した人たちはMBジュニアと呼ばれており、今年、ソウル市長に返り咲いた呉世勲(オ・セフン)氏もその一人だ。
親朴派は朴正煕元大統領の信奉者で、その娘である朴槿恵前大統領を支持している。また、与党が親日派と名指しする羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)などが所属しており、日韓関係が悪化して以降、日本贔屓を取り込んでいる。
なかでもMB派や親朴派は中高年者が多いことから、前身であるセヌリ・自由韓国党を中高年のための政党とみなした若者たちは文在寅政権を支持してきた。しかし、文政権の労働政策で青年層の失業が増え、不動産政策の失敗で30代はマイホームの夢が遠ざかった。若い党首が就任した国民の力に支持が移っている。
日韓関係の鍵は、次期大統領にかかっている
来年3月の次期大統領選に注目が集まっている。大統領の被選挙権は40歳以上のため、国民の力の新党首は出馬できない。人気が高い尹錫悦前事務総長は6月24日、大統領選への出馬を表明した。共に民主党は、出馬を表明した李在明京畿道知事派と反李在明派で割れている。もう一つ注目されている日韓関係の鍵は、次期大統領にかかっているという見方が強い。