最新記事

生物

ホントに? 2匹のミツバチが協力してペットボトルのキャップを外す様子がとらえられる

2021年6月2日(水)19時10分
松岡由希子

ミツバチに優れた知能があることが明らかとなってきた...... balwan-iStock

<2匹のミツバチが協力し合ってペットボトルのキャップを外す様子をとらえた動画が注目を集めている>

2匹のミツバチが協力し合ってペットボトルのキャップを外す様子をとらえた動画がオンラインで公開された。キャップの両側に位置するミツバチたちがキャップとペットボトルとの隙間に頭を潜り込ませながら徐々に足を動かすと、次第にキャップが回りはじめ、やがて外れる。

Bees Opening a Soda Bottle || ViralHog


ブラジル・サンパウロで昼休み中の労働者が撮影したとされるこの動画は、コンピュータグラフィックスで生成された可能性や、すでに緩んでいたキャップが外れただけである可能性も否定できないが、多くの人々から注目を集めている。

ミツバチに優れた知能があることが明らかとなってきた

近年の研究で、ミツバチに優れた知能があることが明らかとなってきた。2018年、豪ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)らの研究チームは「ミツバチはゼロの概念を理解できる」との研究論文を発表。2019年には「数の概念を記号と結びつける能力がある」こともわかった

また、2020年12月に発表された研究論文では「動物の糞を巣の入口の周りに置き、天敵からの攻撃を阻止する」ことが示されている。

ミツバチの脳重量はヒトの0.0002%にすぎないものの、高い知能を備えている。この背景について、英国の研究チームが2009年に発表した研究論文では「認知能力には、脳の大きさだけでなく、神経回路の複雑さも重要である」と述べられている。

ミツバチの脳は小さすぎる?

「8の字ダンス」に代表されるミツバチのコミュニケーションについての研究で功績を残し、1973年にノーベル生理学・医学賞を受賞した動物行動学者のカール・フォン・フリッシュ博士は、「ミツバチの脳は小さすぎるため、その性質はすべて本能によるものだ」と考えていた。しかし、「ペットボトルのキャップを外す」という行動はミツバチが自然界での生存で進化させた行動とはいえず、フリッシュ博士の見解とは相反する。

同様に、英ロンドン大学クイーン・メアリー校の研究チームが2017年に発表した研究論文でも、「マルハナバチが報酬を得るためにボールを特定の場所まで転がすという動作を学習する」ことが示されている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

アングル:米大統領選で浮上のチップ非課税案、激戦州

ビジネス

アングル:テスラ運転支援技術、規制すり抜けライドシ

ビジネス

米国株式市場=ダウ最高値、雇用統計受け景気懸念が緩

ワールド

ハリス氏、アラブ系米国人指導者と会談へ 支持回復目
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大谷の偉業
特集:大谷の偉業
2024年10月 8日号(10/ 1発売)

ドジャース地区優勝と初の「50-50」を達成した大谷翔平をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    アラスカ上空でロシア軍機がF16の後方死角からパッシング、信じられない映像を米軍が公開
  • 3
    NewJeansミンジが涙目 夢をかなえた彼女を待っていたのは......
  • 4
    米軍がウクライナに供与する滑空爆弾「JSOW」はロシ…
  • 5
    【独占インタビュー】ロバーツ監督が目撃、大谷翔平…
  • 6
    借金と少子高齢化と買い控え......「デフレ三重苦」…
  • 7
    羽生結弦がいま「能登に伝えたい」思い...被災地支援…
  • 8
    野原の至る所で黒煙...撃退された「大隊規模」のロシ…
  • 9
    オアシス再結成で露わになる搾取...「ダイナミック・…
  • 10
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はどこに
  • 3
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する「ロボット犬」を戦場に投入...活動映像を公開
  • 4
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 5
    アラスカ上空でロシア軍機がF16の後方死角からパッシ…
  • 6
    【独占インタビュー】ロバーツ監督が目撃、大谷翔平…
  • 7
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 8
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 9
    NewJeansミンジが涙目 夢をかなえた彼女を待ってい…
  • 10
    米軍がウクライナに供与する滑空爆弾「JSOW」はロシ…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 3
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 4
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 5
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 6
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 7
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 8
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 9
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 10
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中