最新記事

銃規制

バイデン、銃規制策発表へ 自家製「ゴースト銃」拡散防止など目指す

2021年4月8日(木)13時10分

バイデン米大統領は8日に政権発足後初の銃規制策を発表する。ニュージャージー州の銃小売店、3月撮影(2021年 ロイター/Eduardo Munoz)

バイデン米大統領は8日、政権発足後初の銃規制策を発表する。相次ぐ銃乱射事件を受けて政権に対応を求める圧力が高まる中、「ゴースト銃」と呼ばれる追跡が困難な自家製銃の拡散防止などを目指す。

ホワイトハウス当局者によると、バイデン氏は司法省がゴースト銃の規制案を30日以内に示すと発表する。規制案の詳細は明らかになっていない。

司法省は、射撃の際に銃口を安定させる「スタビライジングブレース」と呼ばれる装置が、登録を義務付けている連邦火器法の対象になることを明確にする規制案も60日以内に示すという。

このほか、対策では地域の暴力防止への投資や、武器の不正取引に関する司法省の報告などが計画されている。また、危険と判断される人物から当局が銃器を一時的に没収することを可能とする「レッドフラッグ(危険信号)」法の各州での導入に向け、たたき台となる法案のモデルを策定する。

同当局者は、バイデン氏が引き続き法案の成立を議会に促していくとした上で、8日に発表される政権の行動計画は最初のステップだと指摘。「大統領は議会の行動を待たず、人の命を救うため、政府の権限と憲法修正第2条の範囲内で独自の行動を取る」と述べた。

全米ライフル協会(NRA)は発表文書で、バイデン氏の銃規制に反対する方針を表明。

NRAの広報担当、エイミー・ハンター氏は「バイデン氏は法律に従う銃所有者の権利制限を目指す一方で、犯罪者は見過ごし、米国人の安全を実際に守るための本質的な措置は見送ることを明確にした」とコメントした。

また、ホワイトハウスのサキ報道官によると、バイデン氏はアルコール・たばこ・銃器取締局(ATF)の局長に元同局当局者で銃規制派のデビッド・チップマン氏の起用を決定した。

NRAはチップマン氏の指名にも反対する考えを示した。

*全米ライフル協会のコメントを追加しました。​

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・銃規制はまだ? 相次ぐ乱射事件、アメリカは病んでいる
・3Dプリンター製の自動小銃が米社会に及ぼす脅威
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米戦略石油備蓄を速やかに補充へ、トランプ氏「満杯に

ビジネス

日経平均は続落で寄り付く、円高やトランプ関税を警戒

ワールド

ゼレンスキー氏は望めば米ロ協議に出席できたはず=ト

ワールド

大幅減税へ議会共和党と協力、石油・ガス生産など対象
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「20歳若返る」日常の習慣
  • 4
    1月を最後に「戦場から消えた」北朝鮮兵たち...ロシ…
  • 5
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 6
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 7
    ロシアは既に窮地にある...西側がなぜか「見て見ぬふ…
  • 8
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 9
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 10
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 1
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 8
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 9
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパー…
  • 10
    イスラム×パンク──社会派コメディ『絶叫パンクス レ…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 9
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 10
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中