チリ、コロナワクチン接種戦略変更 有効性踏まえ2回目接種を優先
諸外国は今、より多くの人々が早く一定の免疫を付けられるよう、1回目と2回目の接種の間隔を空けている。しかしパリス保健相によると、チリは現在2回目の接種を優先しており、今週は2回目の接種を76万回施すのが目標だ。
これは、シノバック製ワクチンを1回接種しても有効性が低いことを示すデータに対応した措置。チリが先週公表した独自の分析結果によると、1回の接種による感染防止の効果はわずか16%で、入院を防ぐ効果は36%だった。
「2回目の接種を行っていなければ、状況はもっと悪くなっていただろう」とパリス氏は言う。
これに対し、米疾病対策センター(CDC)によると、ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンは、1回目の接種から2週間以上たった時点で感染リスクが80%低下した。
チリ政府によると、新型コロナワクチンの公平な供給を目的とした国際的な枠組み「COVAX」により、今後数週間中にファイザー・ビオンテック製ワクチンが28万回分、英アストラゼネカ製が80万回分到着する予定だ。
シノバックに発注済みの1420万回分のうち、今後到着するのは残り70万回分。政府はこの他にもインドやロシアからの供給確保に取り組んでおり、接種計画を今後も円滑に進めたいとしている。
政府の新型コロナワクチン確保責任者、ロドリゴ・ヤネズ氏は16日ロイターに対し、同国の迅速な接種戦略は、ワクチン製造業者に自社製品を試すための「魅力的な跳躍台」を与えたと指摘し、今後も順調に供給を得られるとの自信を示した。
ヤネズ氏のチームはシノバックに400万回分の追加供給を求めているほか、アストラゼネカから直接購入した400万回分も5月から到着し始めるとの見通しを示した。
ヤネズ氏は「さまざまなワクチンが入れ代わり立ち代わり供給される計画だ。年央までに集団免疫を獲得できると自信を持ち、楽観視している」と語った。
(Aislinn Laing記者)
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