コロナワクチン副反応の4割が深刻な影響、女性は男性の2倍 スイス当局の最新レポート
コロナワクチンの接種で気になる副反応の実体は? 写真はスイス・チューリヒでの接種の様子。REUTERS/Arnd Wiegmann
<いよいよ日本でも開始が近づいたコロナワクチン接種。気になる副反応の実態は?>
スイスでは、昨年末から新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、現在までに人口の4.8%にあたる約41万3千人が接種した。スイスの治療薬の認可監督機関スイスメディックは、1月22日にワクチン副反応に関する初の報告書を発表し、2月5日、その情報を更新した。現時点での副反応は63件で、そのうち26件が深刻だと判断された。
20件が呼吸困難や血管性浮腫、6件が死亡
副反応63件のうち37件(59%)は頭痛、発熱、悪寒など軽いものだった。26件(41%)は深刻で、20件が呼吸困難、皮膚の腫れ(血管浮腫)や皮膚炎(アレルギー反応)、インフルエンザの症状などで、6件が死亡だった。死亡者は85歳から92歳で、みな持病(現病歴)があり、ワクチン接種が死因だったという具体的な証拠はなかった。
性別では32%が男性で、57%が女性だった(一部の届け出には性別の記載なし)。スイスメディックは、引き続き、ワクチンの有効性はリスクを上回るとしている。
スイスでは、まず米ファイザー・独ビオンテック製のワクチンが、次いで1月に米モデルナ製が承認された。届け出された副反応の多くはファイザー製によるものだという。これは単に、ファイザー製が先でモデルナ製が後から始まったためだ(フリーペーパーの20ミヌーテン)。スイスメディックは、目下、英アストラゼネカ製のワクチン承認を検討している。
現在1日あたりの新規感染者数は、減少傾向にある。スイスは1月中旬から感染予防措置が厳しくなり、飲食店に加えて生活必需品以外の商店や文化施設・スポーツ施設は閉鎖、原則的に在宅勤務義務付けというセミロックダウンに入った。これは2月末まで続くが、変異株による感染者急増が警戒されているため延長される可能性がある。
接種希望者が増加
スイスでは、ワクチン接種希望者が増えている。1月初旬に新型コロナウイルス世論調査の第6回目が実施されたが、「すぐに接種する」と答えた割合は41.4%で、10月の第5回目調査の15.6%から劇的に変化した。
世論調査責任者のミカエル・ヘルマン氏は「前回の調査時は予防接種に懐疑的な人たちが非常に多かったですが、いまは、少なくとも国民の一部は予防接種ユーフォリア(ものすごく接種を受けたい)という状態になっているといえます」と話した。接種しないと答えた人は前回の28%から24%に減った。
接種派が増えている様子は、先の20ミヌーテンのワクチン接種に関するオンラインアンケートからもうかがえる。2月7日の時点で、42%が「すぐに接種する」と回答した。「開発までのスピードが心配だが受ける」19%、「予防接種は全般的に嫌だが今回は接種する」6%を合わせると接種派は67%になった。