新型コロナウイルスワクチン、世界の開発競争の最新状況
ワクチン効果の期待度は
世界保健機関(WHO)は、理想的には最低でも70%の有効性を確保してほしいと表明している。FDAが定める有効性の最低ラインは50%。つまり臨床試験で、プラセボ(偽薬)投与の被験者における感染ケースが、ワクチン接種被験者の2倍に達していることが条件となる。EMAはより低い有効性も受け入れる可能性がある。
ロシアと中国の状況
ファイザー・ビオンテック連合のワクチンは後期試験のデータ公表を踏まえて接種される運びになったが、ロシアと中国はそれぞれ、まだ後期試験途中の段階にあるワクチンを国民に接種している。
ロシアは11月24日、自国製ワクチン「スプートニクV」が後期試験の暫定データで91.4%の有効性を得られたと発表。しかし既に8月から接種を開始しており、これまでに10万人が接種を受けた。
中国は7月、医療従事者や重症化リスクの高い人など向けにワクチンを緊急使用するプログラムを立ち上げ、11月半ば時点で少なくとも3種類のワクチンを約100万人に接種した。このうち2種類は中国医薬集団(シノファーム)傘下の中国生物技術(CNBG)が、1種類は中国科興控股生物技術(シノバック)が開発した。
シノバックは11月18日、同社製ワクチン「コロナバック」は中期試験で素早い免疫反応をもたらしたことが分かり、後期試験の暫定データも年内に判明する可能性があると述べた。
ブラジル・サンパウロ州のブタンタン研究所は、来年1月25日に同州でコロナバック接種を開始するのを前に、1日当たり100万回分のワクチンの容器充填とラベル貼りを目指している。
またアラブ首長国連邦(UAE)は今月9日、同国内で実施した後期試験でCNBGのワクチンの1つが86%の有効性を示す暫定結果が出たと明らかにした。
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