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スマートフォン中印対立の余波でiPhone12の製造に遅れ シャオミやOPPOなどにも影響
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インド当局が中国から輸入する電子製品に対する品質管理規格の認証を厳格化しているため、アップルの新型iPhoneの輸入に先月、遅延が生じたほか、中国の小米(シャオミ)などの企業の製品も悪影響を受けたことが、業界筋2人の話で明らかになった。写真はニューデリー市内でiPhoneを操作する男性。2016年7月27日に撮影。(2020年ロイター/Adnan Abidi)
インド当局が中国から輸入する電子製品に対する品質管理規格の認証を厳格化しているため、アップルの新型iPhoneの輸入に先月、遅延が生じたほか、中国の小米(シャオミ)などの企業の製品も悪影響を受けたことが、業界筋2人の話で明らかになった。
品質管理の標準づくりを担うインド規格局(BIS)への認証申請は以前は通常、15日以内に認可が下りたが、現在は長い場合に2カ月間かそれ以上かかっているという。
BISは8月に中国からのスマートフォンやスマートウォッチ、ラップトップなどの電子製品の規格認定を遅らせ始めた。6月に国境地帯で両軍が衝突し、インドの兵士20人が死亡した事件で両国関係が悪化したのを受けた。
この衝突以降、インドは中国からの投資に対する規制を強化し、騰訊控股(テンセント)やアリババ・グループを含む中国企業の数百のモバイルアプリを禁止した。24日は追加で43のモバイルアプリの禁止を発表した。
関係筋によると、アップルの新型スマホ「iPhone12」の輸入に遅延が生じた際、同社のインド法人の幹部がBISに承認手続きの迅速化を求め、インドでの組み立て業務を引き続き拡大すると約束したという。
iPhone12の認可に実際にどれだけ時間がかかったかは不明。アップルはコメントの求めに応じていない。
アップルはインドで最終製品の組み立てを行っているが、比較的新しいモデルやiPhone12は委託生産が中心の中国から輸入している。
BISのウェブサイトによると、25日時点でラップトップなど電子製品に関する認証申請1080件が承認待ちとなっており、このうち669件は申請日から既に20日以上経過しており、9月から承認待ちのものも含まれる。
台湾の緯創資通(ウィストロン)と仁宝電脳工業(コンパル)の中国の工場や中国の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)が製造する製品に関する申請も含まれている。
関係筋によると、中国のシャオミとOPPO(オッポ)製のスマートフォン輸入にも遅れがでている。
インド商工省はまた、7月にテレビの輸入業者に特別な認可の取得を義務付けることで輸入を制限した。関係筋の1人によると、シャオミや韓国のサムスン電子といった企業に悪影響が出ているという。
各社にコメントを求めたが、回答はない。
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