最新記事

感染症

あなたが触ってるスマホは大丈夫? コロナウイルス、ディスプレーのガラス面で28日感染力持続も=オーストラリア研究

2020年10月12日(月)12時24分

豪州連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究チームは、新型コロナの原因ウイルスについて、プラスチック紙幣や携帯電話用ディスプレーのガラスの表面上で最長28日間感染力を持続できるとの研究結果を発表した。キエフで3月撮影(2020年 ロイター/Valentyn Ogirenko)

豪州連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究チームは、新型コロナウイルス感染症の原因ウイルス「SARSーCOV―2」について、プラスチックを用いた紙幣や携帯電話用ディスプレーのガラスの表面上で最長28日間感染力を持続できるとの研究結果を発表した。

室温20度の環境下で研究は行われ、ステンレススチールでも同様の結果を得た。インフルエンザのウイルスよりも長期間、感染力を保てることを示しており、感染予防における手洗いと掃除の重要性を裏付けた。研究結果は学術誌「ウイルス学」に掲載された。

インフルエンザA型の原因ウイルスは17日間生き延びることが可能という研究結果が出ている。

CSIROの実験ではさまざまな物質の表面に人工の粘液をのせ、その中で同ウイルスをコロナ患者のサンプルと同程度の濃度に乾燥させ、1カ月後にウイルスを抽出した。

実験室の諸条件をコントロールした環境で室温を20、30、40度に設定して研究した結果、温度の上昇に伴い感染力の持続期間が短くなった。

CSIROのラリー・マーシャル最高経営責任者(CEO)は文書で「さまざまな表面で同ウイルスが実際にどれだけ長く感染力を維持できるかが明確になれば、われわれはより正確に感染拡大を予想し、抑制でき、人々を守るための対策を改善できる」と指摘した。

体液中のたんぱく質や脂肪が感染力の持続時間を大幅に伸ばすことも研究で明らかになった。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


20250408issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月8日号(4月1日発売)は「引きこもるアメリカ」特集。トランプ外交で見捨てられた欧州。プーチンの全面攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、北朝鮮の金総書記と「コミュニケーション

ビジネス

現代自、米ディーラーに値上げの可能性を通告 トラン

ビジネス

FRB当局者、金利巡り慎重姿勢 関税措置で物価上振

ビジネス

再送-インタビュー:トランプ関税、国内企業に痛手な
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中