最新記事

新型コロナウイルス

米感染拡大、アジア系住民がヘイト攻撃を恐れて銃器店に殺到

Asian Customers Are Buying Weapons Over Coronavirus Backlash Fears

2020年3月13日(金)13時15分
イワン・パーマー

カリフォルニアの他の銃器店でも同じことが起きている。

「通常でも店は忙しいが、今回はまったく常軌を逸している」と別の銃器店のオーナー、デニス・リンは地元テレビ局の取材に語った。リンの店もアジア系アメリカ人が多く暮らす地域にあり、銃の販売数が急増している。やはり客の多くが人種偏見で攻撃されることを恐れて銃を購入している、と言う。

「人々は人種で差別する」とリンは言う。「忘れていた。同じ人間だし、アメリカに暮らしている。ここは中国ではないのに」

「家族と息子を守る」

この店の客の1人、エイプリル・チャオも、中華系だから攻撃されるのではないかと心配して武器を買いに来たと認めている。

「私の家族と息子を守らなければならない」とチャオは地元ラジオ局の取材に答えた。しかし、自宅があるロサンゼルス近郊のランチョクカモンガで人種差別を経験したことはないと言う。

アジア系アメリカ人による銃購入数の増加は、全米で最も感染者数が多いワシントン州でも報告されている。

「アジア人というだけで飛び掛かられてはたまらない、ということだと聞いている」と、シアトル近郊ベルビューの銃器店「ウェイドズ・イーストサイド・ガンズ」のネット販売担当コール・ゴーランは銃関連の情報サイト「The Trace」に話している。

米ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、アメリカでは13日時点で1663人の感染が確認され、40人が死亡した一方、これまでに13人の症状が回復している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

尹大統領の逮捕状発付、韓国地裁 本格捜査へ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 10
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中