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感染症イタリア、新型コロナウイルス感染1万人突破 死者急増、全土に移動制限で経済活動停滞
3月10日、イタリア市民保護局は、新型コロナウイルスの感染による死者が168人増え合計631人になったと発表した。増加数は初めての国内感染例が確認された2月21日以降で最多に。ベネチアのサンマルコ広場で撮影(2020年 ロイター/Manuel Silvestri)
イタリア市民保護局は10日、新型コロナウイルスの感染による死者が168人増え合計631人になったと発表した。
増加数は初めての国内感染例が確認された2月21日以降で最多となった。全土に拡大された移動制限で経済活動に影響が出ている。
感染者数は1万0149人。増加率は10.7%と、過去数日に比べ大幅に鈍化したが、当局者らは、感染拡大が深刻なロンバルディア州の集計が不完全だと説明した。
これまでに感染が確認された人のうち1004人が完全に回復。回復者の数は前日の724人から増加した。集中治療室で治療を受けているのは約877人。前日は733人だった。
コンテ首相は前日夜、新型コロナウイルスの感染拡大封じ込めを狙った移動制限を国内全土に広げると発表。国民全員に対し、4月3日まで自宅に待機し、不要不急の移動を自粛するよう求めた。
首都ローマの高級住宅街にあるレストランの経営者マリオ・モンフレーダさんは「ひどい災難だ。すべてを失うことになる。新型ウイルスよりも、移動制限が引き起こす経済危機が原因で死ぬ人の方が多いだろう」と嘆いた。
一方、新型ウイルスによる死者の74%が集中するロンバルディア州のフォンタナ知事は、一段と厳格な措置を講じるよう中央政府に求めた。
「私ならば全ての小売店と公共交通機関を閉鎖し、経済に甚大な影響を及ぼす場合を除いて全企業に営業停止を要請するだろう」と述べた。
イタリアではこれまで、経済的に裕福な北部で感染者が急増したが、政府は感染がさらに拡大した場合、経済的な余裕があまりない南部の医療制度が崩壊し、死者数が急激に増えると懸念している。
移動制限を受け、10日はローマのトレビの泉などの観光名所が閑散となり、バチカン(ローマ教皇庁)はカトリックの総本山であるサンピエトロ大聖堂と同広場を観光客に対して閉鎖したと明らかにした。
少なくとも向こう3週間は、イタリア国内を旅行する場合、その理由を記入した書類を携帯する必要がある。スポーツ行事など屋外のイベントは中止となり、学校や大学も閉鎖となった。
この日のミラノ株式市場は3.3%下落し、初めての国内感染が確認される直前の2月20日以降では、29%下げている。国債利回りは急騰しており、同国が再び経済危機に見舞われるとの懸念が強まった。
*内容を追加して再送します。
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