最新記事

トランプ政権

ウクライナ疑惑で懲りたトランプ、外国首脳との電話会談はもう「誰にも聞かせない」

Trump Says He Might Stop Officials Listening In On His Calls With Foreign Leaders

2020年2月14日(金)14時00分
ジェフリー・マーティン

ウクライナ大統領との電話会談を弾劾裁判の証拠とされたことに、トランプは我慢がならないようだ Jonathan Ernst-REUTERS

<電話で首脳会談を行うときに、政権幹部や専門スタッフが立ち会うのは世界の常識だが......>

ドナルド・トランプ米大統領は13日、右派コメンテーター、ジェラルド・リベラのラジオ番組に出演し、他国の首脳と電話会談する際に政権スタッフが聴く慣行をやめることを考えていると語った。

さらにトランプは、ウクライナ疑惑をめぐる弾劾調査のなかで、国家安全保障会議(NSC)メンバーのアレクサンダー・ビンドマン中佐が、ウクライナ大統領のウォロディミル・ゼレンスキーとの電話会談でトランプに不正行為があったと証言したことについて、不満を露わにした。

電話会談で、トランプはゼレンスキーに対して、約4億ドルの軍事支援と引き換えに、ジョー・バイデン前副大統領とその息子でウクライナのエネルギー企業の幹部を務めていたハンター・バイデンに関する調査を開始するよう求めたとされている。

番組司会のリベラがトランプに、なぜ大統領の電話会談を政権スタッフが聴くことが許されるのか尋ねると、トランプは「長年の慣行」だと答えた。「何年にも渡って行われてきたことだ。外国の首脳に電話すると、皆が聴いている。この慣行は完全に終わらせるかもしれない。完全に、だ」

さらにトランプは、「25人が聴いていることもある」と述べた。またマイク・ポンペオ国務長官もゼレンスキーとの電話会談を聴いていた1人として名前を挙げた。各国首脳の電話会談で、国益を損なうことがないように政権幹部やスタッフが聴いているのは常識的なことだろう。

この件について本誌は、ホワイトハウスに対してコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。

「ただ1人、この男が......」

さらにトランプは、ビンドマンが弾劾調査で証言したことについて「とても反抗的だ」と不満を述べた。

「ただ1人、この男が出て行って、『この会談は気に入らない』と言った。まず何より、とても反抗的だ。なぜ彼は直近の人物に言わなかったのか? そうではなくて議会とか、シフ(アダム・シフ下院情報特別委員長)とかに言いに行った」と、語った

議会上院の弾劾裁判で無罪評決を出された後、トランプはビンドマンとゴードン・ソンドランド駐EU大使を解任した。2人とも、弾劾調査でトランプの不正行為を証言していた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

原油先物5週間ぶり高値、トランプ氏のロシア・イラン

ビジネス

トランプ関税で目先景気後退入り想定せず=IMF専務

ビジネス

トランプ関税、国内企業に痛手なら再生支援の必要も=

ビジネス

現代自、米ディーラーに値上げの可能性を通告 トラン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中