ウイグル弾圧は習近平だけの過ちではない
READING CHINESE CABLES
新疆の一体化政策は、国内植民地の状態から実質的な中国化を実現するための綿々と続く中国共産党の戦略である。1950年代から80年代までは経済的理由からその遂行の速度が緩かっただけであり、現在の急激な変化は中国の経済力増大と密接に関係する。
文書流出の女性に殺害予告が
星の数ほどの監視カメラを各地にちりばめたウイグル人監視システム「一体化統合作戦プラットフォーム」では、2017年6月中旬からさまざまなデータが集積され、分析結果が強制連行に使われた。データは自治区党委員会の「厳重取締り・敵地攻撃戦前線指揮部」という名の機関に集積されている。その名称から共産党は新疆政策を「敵地攻撃」と位置付けていることが分かる。システムには出入国記録や在外中国大使館の情報が記され、外国籍を取得したウイグル人も「国境地帯で規制を張り、入境したら身柄を確実に確保せよ」と強制連行の対象となることが流出文書に記されている。
今回の上層部文書の流出に関わったオランダ在住のウイグル人女性は現在、オランダ警察の庇護下にあるという。文書が公開されるまでの間、彼女は「中国当局から殺害予告を受けていた」と、ラジオ・フリー・アジア(RFA)に語っている。
「遅れて来た帝国主義国家」の民族浄化を、外国人であるわれわれはどうやったら止めることができるのだろう。
<本誌2019年12月24日号掲載>
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