最新記事

2020米大統領選

ポンペオ国務長官、ウクライナ疑惑巡る国務省高官らの議会証言拒否

2019年10月2日(水)09時02分

トランプ米大統領の対ウクライナ圧力疑惑を巡り、ポンペオ国務長官は、大統領弾劾訴追に向けて調査を進める下院委員会が要請した国務省の高官ら5人の宣誓証言を拒否する考えを示した。9月30日、バージニア州アーリントンで撮影(2019年 ロイター/Kevin Lamarque)

トランプ米大統領の対ウクライナ圧力疑惑を巡り、ポンペオ国務長官は1日、大統領弾劾訴追に向けて調査を進める下院委員会が要請した国務省の高官ら5人の宣誓証言を拒否する考えを示した。一方、下院委員会の関係者は、5人のうち2人は証言に応じていると明らかにした。

下院は先週、トランプ氏弾劾に向けた正式調査を開始した。調査に絡み、下院外交委員会のエンゲル委員長は今週から来週にかけて国務省の現旧当局者5人から宣誓供述を得ることを国務省に要請した。

宣誓証言が求められているのは、ヨバノビッチ元駐ウクライナ大使、ウクライナ問題の米特別代表を務めていたカート・ボルカー氏、駐欧州連合(EU)米大使のゴードン・ソンドランド氏、ジョージ・ケント国務次官補代理、ウルリッチ・ブレックブル国務省参事官の5人。

下院委員会の関係者によると、ヨバノビッチ氏が11日、ボルカー氏が3日にそれぞれ証言する予定。

ポンペオ長官はツイッターに書簡を投稿し、エンゲル委員長の要請は「威嚇や脅し、国務省の優秀な人材を不適切に扱う行動と受け取れる」とし、懸念を表明。全力をかけて「国務省職員に対するいかなる脅威も阻止する」と言明した。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先に、大統領弾劾に向けた正式調査の引き金となった7月のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の電話会談にポンペオ長官が同席していたと報道。

エンゲル委員長のほか、下院情報委員会のシフ委員長、下院監視委員会のカミングス委員長は声明で、この報道が正しければ、ポンペオ長官は「事実の目撃者」だと指摘。また「国務省職員を含め、証人を脅したり、議会証言を阻止しようとする試みは違法で、弾劾調査妨害の証拠になる」と警告した。

国務省は4日までに下院外交委の召喚状に回答するとした上で、宣誓供述を用意する十分な時間が与えられておらず、行政機関との相談なく5人が宣誓供述に応じることはないという可能性を示した。

[ワシントン 1日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




20191008issue_cover200.jpg
※10月8日号(10月1日発売)は、「消費増税からマネーを守る 経済超入門」特集。消費税率アップで経済は悪化する? 年金減額で未来の暮らしはどうなる? 賃貸、分譲、戸建て......住宅に正解はある? 投資はそもそも万人がすべきもの? キャッシュレスはどう利用するのが正しい? 増税の今だからこそ知っておきたい経済知識を得られる特集です。



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、空爆でヒズボラ指導者ナスララ師殺害 イ

ワールド

石破自民新総裁、林官房長官続投の意向 財務相は加藤

ワールド

イスラエル、ヒズボラ本部を空爆 指導者ナスララ師標

ワールド

ハリス氏、南部国境地域を訪問 不法移民の取り締まり
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:羽生結弦が能登に伝えたい思い
特集:羽生結弦が能登に伝えたい思い
2024年10月 1日号(9/24発売)

被災地支援を続ける羽生結弦が語った、3.11の記憶と震災を生きる意味

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ日本の伝統文化? カギは大手メディアが仕掛ける「伝検」
  • 2
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッション」に世界が驚いた瞬間が再び話題に
  • 3
    【クイズ】「バッハ(Bach)」はドイツ語でどういう意味?
  • 4
    ワーテルローの戦い、発掘で見つかった大量の切断さ…
  • 5
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 6
    メーガン妃が編集したヴォーグ誌「15人の女性をフィ…
  • 7
    自民党総裁選、石破氏選出を韓国メディア速報「極右…
  • 8
    中国で牛乳受難、国家推奨にもかかわらず消費者はそ…
  • 9
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 10
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感.…
  • 1
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ日本の伝統文化? カギは大手メディアが仕掛ける「伝検」
  • 2
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感...世界が魅了された5つの瞬間
  • 3
    ワーテルローの戦い、発掘で見つかった大量の切断された手足と戦場の記憶
  • 4
    白米が玄米よりもヘルシーに
  • 5
    レザーパンツで「女性特有の感染症リスク」が増加...…
  • 6
    メーガン妃に大打撃、「因縁の一件」とは?...キャサ…
  • 7
    先住民が遺した壁画に「当時の人類が見たはずがない…
  • 8
    50年前にシングルマザーとなった女性は、いま荒川の…
  • 9
    中国で牛乳受難、国家推奨にもかかわらず消費者はそ…
  • 10
    NewJeans所属事務所問題で揺れるHYBE、投資指標は韓…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 4
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 5
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 6
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 7
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つ…
  • 8
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 9
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 10
    無数のハムスターが飛行機内で「大脱走」...ハムパニ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中