Huawei一色に染まった中国メディア──創設者が語った本音
Q:Googleが華為にサービスを提供しないと言っている。ヨーロッパなどでは非常に心配しているが、アンドロイドシステムを更新することができなくなるのではないのか?
A:Googleは責任感の強い、とても素晴らしい企業だ。今アメリカ政府を説得しようとしている。今はこれ以上は言えない。
(参照:3月25日付けコラム<グーグルよ、「邪悪」になれるのか?――米中AI武器利用の狭間で>)
Q:こういう状態がいつまで続くと思うか。
A:それはトランプに聞いてくれ。もっとも、私たちは多くの他の国にイノベーション基地を建設してもいい。あるいは、他の国から中国に来てもらってもいい。方法はいくらでもある。
Q:任総裁には、なぜか非常に落ち着いた穏やかな姿勢を感じるのだが、それはなぜか。そして、こういったリスクに備える意識はどこから来たのか?
A:いつも華為は叩かれてきた。だから常に危機感を抱き続けてきたので、いつどのような形でやられてもいいように準備してきた。生存のために早くからスペア・タイヤを用意している。これまで使わなかっただけだ。
(筆者注:華為はもともと中国政府に潰されるという危機感があったから、海外に事業展開を始めた。これらはYahooにおけるコラムで数多く書いてきたので列挙は省略する。)
Q:孟晩舟事件にしても、アメリカは対イラン問題を理由としている。この誤解を解くため、あなたはアメリカ政府、特に商務部や司法部と協議するつもりはあるか?
A:何を言っているんだい。私は既にアメリカ政府を起訴したではないか。法廷でアメリカが証拠を出せば済むことだ。私は法廷で弁護士とわたりあう。
Q:水面下のルートから話をするつもりはないのか?
A:私は水面下のパイプを持っていない。それとも君は私にトランプの電話番号をくれて、トランプとこっそり話をしろとでも言うのかい?
Q:「996」という問題があるが、西側諸国の働き方と中国とでは、大きな価値観の差がある(筆者注:「996」とは「朝9時に出勤して夜9時に退社、睡眠時間は6時間」という意味)。社内では、このバランスをどのように取っているのか。
A:労働時間に関しては西側諸国の労働法という価値観を尊重する。労働者の合理的な時間を保護しなければならない。しかし華為には使命感がある。使命感に燃えている。それがなかったら、何も創りだすことができない。
今年の春節には社員は誰も故郷に戻ろうとせず、車内で寝泊まりして頑張った。帰れと言っても帰らない。我が社にいる外国人の科学者でさえ、中国の科学者よりももっと強い使命感を抱いてくれているくらいだ。だから結婚する時間さえ取れていない。(この理由に関しては拙著『「中国製造2025」の衝撃』の中の華為の頭脳「ハイシリコン(海思)」の個所をお目通し頂ければご理解頂けるものと思う。)