最新記事

性的虐待疑惑

マイケル・ジャクソンの「被害者」が、少年だった頃の性的虐待を赤裸々告白 

Michael Jackson Accuser James Safechuck Describes Abuse

2019年3月5日(火)16時00分
アンドルー・ウェーレン

「性器をお湯に漬けたのを覚えている。おしっこが出にくくて、出やすいようにとマイケルがお湯を入れたコップを持ってきたんだ。おしっこができなかったこと以外に、嫌な思いをした記憶はない。ある種の絆ができたような感じだった。このツアーが性的な関係のはじまりだった」

ジャクソンは、セイフチャックが彼にフレンチ・キスを教えたと主張していたそうだ。彼らは二人の間だけの合図を決めていた。相手への性的愛情を伝えるには、手をつないで手のひらを引っ掻き合うという合図だ。

「マイケルは、性行為をした相手は僕が初めてだと言っていた」とセイフチャックは言う。「マイケルは最もビッグなエンターテイナーで天才だ。その天才が僕を特別だと考えている。嬉しいに決まっているだろう?」

webe190305-MJ.jpg

HBO


またセイフチャックは、マイケルから前かがみになって尻を見せて欲しいと言われ、それを見てマイケルがマスターベーションをしていたとも語った。もう一人の被害者、ウェイド・ロブソンも同様の主張をしている。

セイフチャックはさらに、マイケルが自分との性的行為が見つからないようにするためどれほど用心深かったかも詳細に語った。「彼は何度も僕に練習をさせた。ホテルの部屋にいる時に誰かが入ってくるという設定で、彼が合図をしたら僕は音を立てずにできる限り早く服を着なければならなかった」と、彼は映画の中で語っている。「誰かに見つかったら彼の人生も、僕の人生も終わりなんだと何度も言われた」

ネバーランドの邸宅内で「毎日」

マイケルはセイフチャックを家族から引き離すことにも苦心したという。母親をはじめ、女性がいかに邪悪な存在かを彼に説いたというのだ。「だから自分の両親は悪い人、マイケルはいい人だと考えるようになっていった」と彼は言う。

性的虐待は、マイケルが1988年にネバーランド牧場を購入した後も続いた。「毎晩、彼の主寝室のベッドの隣にあるクローゼットの中に毛布を敷いて寝るのがきまりだった。そうすれば誰かが来て寝室の戸を開けても、すぐには見つからずにすむ」とセイフチャックは言う。「キスもしたし、互いに性器を擦りつけ合ったりもした。オーラル・セックスもした。その後はマイケルが僕に自分の乳首を吸うように言って、彼が自分で終わっていた」

邸内のさまざまな場所で性的行為を行った、とも言う。アメリカン・インディアン風のテントやアーケード、ジャクジー、3階の屋根裏のおもちゃ部屋、ゲストハウス、映画館や、テーマパークのお城や列車の駅の上にある小さな寝室などの場所だ。

「性的行為は毎日あった」とセイフチャックは言う。「こう言うと気持ち悪いが、初めて恋人ができてやりまくるのに似ている」

マイケルの遺産管理団体は、セイフチャックの主張はつくり話だとし、作品に抗議している。

マイケルは生前にも児童に対する性的虐待容疑で2度起訴され、2度とも金を払って示談にしている。一方、セイフチャックとロブソンは裁判の過程で、マイケルの弁護側証人として「虐待はなかった」と証言したこともある(関連記事:本誌2019年3月12日号)。

(翻訳:森美歩)

※3月12日号(3月5日発売)は「韓国ファクトチェック」特集。文政権は反日で支持率を上げている/韓国は日本経済に依存している/韓国軍は弱い/リベラル政権が終われば反日も終わる/韓国人は日本が嫌い......。日韓関係悪化に伴い議論が噴出しているが、日本人の韓国認識は実は間違いだらけ。事態の打開には、データに基づいた「ファクトチェック」がまずは必要だ――。木村 幹・神戸大学大学院国際協力研究科教授が寄稿。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スロバキアのフィツォ首相、銃撃で腹部負傷 政府は暗

ビジネス

米CPI、4月は前月比+0.3%・前年比+3.4%

ワールド

米大統領選、バイデン氏とトランプ氏の支持拮抗 第3

ビジネス

大手3銀の今期純利益3.3兆円、最高益更新へ 資金
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 5

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 8

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 9

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 10

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中