日本発のヤクザゲーム『龍が如く』がアメリカを席巻⁉
The Silly Criminal of Kamurocho
とはいえ、このシリーズのシリアスな抗争劇とバラエティー的要素との融合を英語版で忠実に再現するには、ローカライズチームによる脚色が必要になる。翻訳者3人が訳したものを編集者が3人がかりで推敲し、より自然な英語にする。「直訳では本来のユーモアが伝わらないと思ったら、少しひねりを加える」と、ストリチャートは言う。「ユーモアとドラマのバランスが重要だ」
英語圏のプレーヤーがジョークについていけるように、言葉以外の部分も解説が必要だった。日本の男らしさの理想像であり続けるため、桐生は何事にも動じず、どんなに緊迫した状況や異常事態のさなかでも冷静さを失わない。
彼は日本版では無口だが、英語版では内心の本音をつぶやき、神室町の住人たちは彼のこわもてぶりをからかう。「プレーヤーと主人公の絆を強める」ために「少し尾ひれをつけた」と、マレンは言う。
このシリーズならではの特徴は、一見冷酷非情な主人公が実は犯罪者としては欠点だらけということ。お人よしの桐生は年配の女性に頼まれて一緒にバッグを捜したり、キャバ嬢にお触りする常連客を懲らしめたりするのにも忙しい。「桐生は駄目なヤクザだ」と、マレンは笑う。「ヤクザらしいのは1本のゲームの中で10分だけ!」
[2018年9月25日号掲載]
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