防衛省は借金まみれ!? 来年度予算の4割は高額装備のローン支払いに消える
防衛費、「最大でも年1.2%増」
政府は今年末までに防衛大綱を見直すとともに、19年度から始まる5カ年の新たな中期防を策定する。あらゆる装備がネットワークでつながる現代戦では、それを支える人工衛星や通信網の防御が重要になるため、宇宙やサイバーといった新しい分野における防衛力強化を打ち出す。
しかし、19年度予算の要求額のうち、約4割の2兆0647億円は過去に購入した武器の支払いに、同じく4割の2兆1908億円は隊員の人件費や食費に回さなくてはならない。新たな装備の取得には、2割の1兆0370億円しか当てることができない。海上自衛隊は来年度、哨戒機P1の取得要求を断念した。
政府は現在の中期防で、年0.8%ずつ防衛費を増やした。次期大綱・中期防でも増額する方針で、自民党は国内総生産(GDP)比2%を求めている。だが、別の防衛省関係者は「最大でも年1.2%程度の増加だろう」と話す。
小野寺五典防衛相は、31日の会見で「必要な装備をこれからもしっかりとそろえることが重要だ。取得に当たっては節減に努力をしていく」と語った。
(久保信博 編集:田巻一彦)
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